3−5 動物分布調査(両生類・は虫類)要綱

 

1. 調査の目的

わが国に生息する両生類・は虫類の生息状況を把握するため、絶滅のおそれのある種、学術上重要な種等の生息地、分布について調査する。

2. 調査実施者

国が財団法人日本自然保護協会に委託して実施する。

3. 調査対象地域

全国47都道府県について調査する。

4. 調査実施期間

契約締結の日から昭和54年3月31日までとする。

5. 調査内容

(1) 調査の対象とする両生類・は虫類は、表1「調査対象両生類・は虫類種名表」に掲げたものとする。それ以外でも重要と思われる種類があれば、適宜追加して差しつかえない。

(2)  調査事項は次のとおりとする。

ア 生息地の位置

イ 生息環境、生息状況の概況

ウ 保護の現状

6. 調査方法

調査は主として、既存資料、その他の知見の収集等により、都道府県単位で実施する。

7. 調査結果のとりまとめ

受託者は、調査結果を都道府県を単位として下記の図票にとりまとめる。     

(1) 両生類・は虫類分布図

両生類・は虫類の分布は、別紙1「両生類・は虫類分布図」(以下「分布図」という。)にならい国土地理院発行の1/20万地勢図に表示する。

(2) 両生類・は虫類調査票

調査した事項は、別紙2「両生類・は虫類調査票」(以下「調査票」という。)にとりまとめる。

8. 調査結果の報告

受託者は、調査結果をとりまとめ報告書200部、両生類・は虫類調査票綴及び両生類・は虫類分布図帳各1部を、それぞれ別紙3 「報告書作成要領」(略)、別紙4 「両生類・は虫類調査票綴作成要領」(略)、別紙5 「両生類・は虫類分布図帳作成要領」(略)により作成し、昭和54年3月31日までに、環境庁自然保護局長あて提出する。

 

表1 調査対象両生類・は虫類種名表

 

     

 

(別紙1)  両生類・は虫類分布図

 

   

 

(分布図作成上の注意)

1  分布図は都道府県ごとに作成し、必ず国土地理院発行の1/20万地勢図を使用する。複写図編さん図等は使用しないこと。

2  1/20万地勢図には、都道府県単位で東側から、北から南へ「地図番号」を打つ。(下図(以下「地図番号図」という。)参照)

3  調査の結果、両生類・は虫類の分布が表示されていない地勢図が出てきても、当該都道府県にかかわりのある地勢図はすべて提出することとし、4の作業はすべての地勢図について行う。

4  分布図例のように、地勢図の余白の所定の位置に「タイトル」、「地図番号」、 「調査年度」(西暦)、 「都道府県名」を黒インクで記入する。

5  対象種の生息地を黒線でくくり、その位置を示すとともに、調査票と対照できるように、対照番号と種略号を記入する。

くくり線は幅0.5mm程度の線で引くものとし、生息地が小さくて黒線でくくれない場合は、小黒丸(●)で表示する。

また、文献、聞き込み等で、生息するという情報があった場合でも、現時点においてそこには生息しないと調査者が考える場合には種略号の後に「?」記号を付す。

6  対照番号は、地勢図ごとに通し番号とする。

7  同一地域に2種以上の両生類・は虫類が重複して生息する場合は、くくり線等は同一のもので表示し、対照番号と種略号を併記する。

8  調査票の「取扱」欄が(秘)であっても、一応当該両生類・は虫類の生息地を分布図に表示する。

9  地勢図下方の余白には、分布図例のように、それぞれの地勢図ごとに当該分布図の凡例を必ず記入する。

凡例は、種略号一種名の順に記入する。

 

(別紙2) 両生類・は虫類調査票

 

(調査票記入上の注意)

1  調査票の様式は前頁に掲げるものとし、用紙は110kg程度B5版、左側2つ穴あきとする。

2  調査票は、1地域の1動物ごとに作成する。

3  「調査年度」(西暦)、「都道府県」には、それぞれ該当のものを記入する。

4  「取扱」には、公表することにより乱獲のおそれがある等その両生類・は虫類の生息地の公表が不都合な場合、赤字で(秘)と記入する。

5  「地図番号」、「1/20万地勢図」には、それぞれ該当するものを記入する。

6  「種略号」、「種名」には、表1「調査対象両生類・は虫類種名表」により、該当するものを記入する。

7  「対象番号」には、分布図と対照できるように該当する番号を記入する。

8  「地域名」には、当該種の生息地の具体的名称を、例えば、○○地、○○丘陵のように記入する。

9  「所在市町村」には、当該種の生息地が属する市郡、町村を記入する。複数の町村にわたって生息する場合には、併記する。

10 「標高」には、生息地点のおおよその標高を地勢図から読みとって記入する。

11 「資料の種類」には、当該種が、その地域において生息するという情報が、どのような資料によって得られたかを次の中から選び、該当するものを○で囲む。

現認・・・・・・・・・調査者が、当該種を現地で確認しているもの

文献・・・・・・・・・文献に生息に関する・記載があるもの

標本・・・・・・・・・保存されていた標本のラベルデニタによるもの

聞込・・・・・・・・・そこに生息するという話を聞いたもの

12 「確認年月日」には、当該種の生息が確認された年月日を記入する。年には、西暦を使用する。詳細な確認年月が不明の場合は、その部分は記入しなくてよい。

(1) 当該種を現地で直接確認した場合には、その年月日を記入する。

(2) 文献からの情報の場合には、文献に記載されている採集あるいは確認の年月日を記入する。

(3) 標本のラベルデータによる場合には、採集の年月日を記入する。

(4) 聞き込みによる情報の場合には、聞きとった相手方が、当該種を確認した年月日を記入する。

13 「備考」には、文献や聞き込み等で生息するという情報があった場合でも、現地点においてそこには生息しないと調査者が考える場合には、次の記号のいずれかを○で囲むとともにその内容を簡略に記入する。

 

 例 {
河川改修により多分絶滅
ラベルデータの誤りらしい
クロサンショウウオの誤認らしい
 記号 理        由
  絶 かつては生息したが、今は絶滅して生息していないと判断される。
  誤 文献や聞き込みの相手方が種を誤って判断していると思われる。

 

14 「出典」には、当該種がその地域に生息するという情報の出典を記入する。

(1) 調査票記入者が、現地で直接確認している場合は、当人の氏名を記入する。

(2) 文献によった場合は、筆者名、資料名、発行年を記入する。

(3) 標本のラベルデータによった場合は、標本を所蔵する施設名を記入する。

(4) 聞き込みによった場合には、相手方の氏名を記入する。

15 「調査者」には、当該調査票作成者の所属、氏名を記入する。

16 「確認個体数」には、個体数に関する記録がある場合に限り(  )内に採集あるいは目撃した個体数を記入する。

なお、「幼生」とは、両生類のオタマジャクシ、「幼体」とは、成体と同じ形や、未成熟の個体をそれぞれ意味する。

17 「調査時点での生息環境条件」には、当該種を確認した時点における環境条件に関する記録がある場合に限り、それぞれ該当する記録を記入する。

18 「生息地の状況」には、生息地の環境に関する記録がある場合に限り、記入するものとし、土地環境、地形、水環境のそれぞれ該当する項目の口欄に?印を記入する。

19 「生息状況」には、生息数の増減傾向、産卵時期、生活史上の特色、絶滅の時期などについて、知見のあるかぎりにおいて記入する。

20 「保護の現状」には、天然記念物以外に当該種、当該生息地に関して現在とられている保護対策について具体的に記入する。なお、保護管理に関して技術的所見があれば、記入してさしつかえない。

21 「天然記念物」には、当該種、当該生息地が天然記念物に指定されている場合に、次のいずれかを○で囲む。

国・・・・・・・・・国指定の天然記念物

県・・・・・・・・・都道府県指定の天然記念物

町・・・・・・・・・市町村指定の天然記念物

種・・・・・・・・・地域を定めず、種が指定されているもの

地域・・・・・・・地域を定めて指定されているもの

22 「平面略図」、 「断面略図」には、知見のある限りにおいて生息地の略地図を描き、樹木、人家、道路等を記入して生息地の状況を示すとともに、適宜、距離、樹高等の数値を記入する。

23 「写真貼付欄」には、当該種あるいは当該生息地の写真がある場合、それを貼付する。

 

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