467 ベ ニ マ シ コ

 ♂は薔薇色で、額、胸、腰がとくに鮮やかで、尾が長い。頭部は赤味を帯びた銀白色で、背面には黒褐色の縦斑がある。翼や尾は黒褐色で、翼には2本の白帯があり、尾の外側は白色である。北海道では夏鳥で、本州、佐渡、四国、九州には主に冬鳥として10月下旬から11月中旬ごろに渡来し、翌年3月上旬から4月中旬ごろまでに渡去する。夏期北海道では、平地または海浜の灌木林、草原、低木の茂みなどに生息し、数は少なくない。冬期は本州以南の標高1,000mぐらいまでの山地の灌木林、草原などに生息する。繁殖期は番で生活し、秋期から冬期にかけては小群をなすことが多い。平地の灌木林や人家の生垣などの低木の茂みに営巣する。巣は地上1〜2mぐらいの高さの樹枝上にあり、樹皮、枯草、枯枝などを使用して椀の形をつくり、内部に馬毛、羽毛などを敷く。産卵期は5月下旬から7月下旬ごろまでである。1巣の卵数は3〜4個で、まれに5個のこともある。卵は緑青色の地に、黒褐色の小斑が散在する。斑点は多くなく、鈍端付近に集中する。雛は抱卵後12日ぐらいで孵化し、更に12日ぐらいで巣立つ。

 これまでに繁殖が確認されているのは、北海道、利尻島、および本州北部(青森県下北半島)である。今回の調査で、主に繁殖が見られたのは北海道で、ほぼ全域で繁殖が見られる(南千島の囲み地図のなかに納沙布岬付近でのBランクが記録されていることに注意)が、とくに東部、北部の平地には数多く見られる。一方、西南部では密度が低くなっており、中央部の山地でも繁殖していない。本州では青森県下北半島で繁殖の可能性があるとされている。このほかにCランクが青森県津軽半島に見られる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

20

128

78

226

構 成 比(%)

8.8

56.6

34.5

100.0

 

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