442 ミヤマホオジロ

 ほぼスズメ大で、全体が褐色に見え、尾が比較的長い。♂は頬が黒色、眉斑と喉とは鮮黄色で、黒色の冠羽と胸に黒帯がある。背面は黄褐色で、黒褐色の縦斑がある。下面は灰白色である。♀は冠羽と胸の黒帯がなく、頭上と頬とは黒褐色である。冬鳥または旅鳥として、北海道、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、対馬、五島列島、屋久島、種子島、伊豆諸島(三宅島、八丈島)、沖縄、西表島、与那国島に渡来する。本州には11月中旬ごろに渡来し、4月下旬ごろまでに渡去する。冬期は本州中部以南の灌木林、雑木林、竹薮などに主に生息する。夏期は森林の林縁や灌木疎林に生息する。夏期は番で生活するが、冬期には小群をなしていることが多い。広葉樹林や草原に営巣し、巣は日本では未発見であるが、枯れた葉、茎、根などを主材とし、内部に細根や馬毛などを敷く。産卵期は4月下旬から5月下旬ごろまでである。1巣の卵数は5〜6個で、卵は白色、灰黄色、淡紅灰色の地に淡褐色、黒褐色などの小斑が散在する。

 日本では、対馬において5羽の巣立ち直後の幼鳥が観察され、繁殖が確認されている。本種の主な繁殖地は、シベリア東部黒竜江(アムール川)流域から朝鮮半島北部にかけての地域である。今回の調査では、新たな繁殖の確認はなかったが、対馬において繁殖の可能性があるとされている。夏期同地における生息数は少なくないと思われる。このため繁殖の可能性は非常に大きいが、本種が対馬において例年繁殖し、留鳥としての位置を占めるに至っているかについては、いまなお記録の集積が待たれる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

0

3

1

4

構 成 比(%)

0.0

75.0

25.0

100.0

 

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