431 メ   ジ   ロ

 スズメより小さい鳥で、上面は暗緑色である。下面は黄色で腹は白色である。脇、腹は淡紫褐色。眼のまわりに白色環があるのが特徴となっている。日本各地に生息するが、本州北部以北および標高500m以上の山地では夏鳥として春期3月上旬から4月ごろに渡来し、秋期11月下旬から12月下旬には南方または平地などに渡去する。平地および本州以南の暖地には留鳥として周年生息する。分布地は次の通りである。北海道、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、対馬、壱岐、五島列島、男女群島、屋久島、種子島、伊豆諸島、奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島、小笠原群島、火山列島、大東諸島。標高1,000m以下の落葉広葉樹林や雑木林などに生息するが、とくに暖地の照葉樹林を好む。繁殖期には番で生活するが、他の時期には群れをなして人里近くに飛来することが多い。低山帯、平地の雑木林や落葉広葉樹林の喬木の下枝、灌木の枝などに営巣する。巣は地上1〜2mぐらいの高さにあることが多い。巣は水平に延びた細い枝のまたになったところにクモの糸でつり下げられている。蘚類を主材とするが、羽毛、獣毛、落葉なども混ぜて椀の形をつくり、内部には穂や細茎、馬毛などを敷く。産卵期は4月から6月ごろまでで、1巣の卵数は3〜5個である。卵は白色または淡青緑色で斑点はない。雛は抱卵後10日あまりで孵化し、更に12日程で巣立つ。

 今回、伊豆、小笠原、男女、火山、大東各諸島での調査はされていないが、このほかの各地では、広く繁殖している様子がうかがわれる。暖地系の鳥であるため、東北北部および北海道での繁殖が少なくなっている。北海道では西南部が主な繁殖地となっている。また、中部山岳地帯など高地での繁殖も見られない。全国的には、海岸付近、平野での繁殖が多く見られるようである。繁殖地図はこれまでの繁殖分布をほぼ確認するものとなっている。これまで繁殖がおおむね確実とされている隠岐、五島列島、男女群島のうち未調査の男女群島を除く隠岐、五島列島については、いずれもBランクの記載しかなく、この調査でも確認は見送られている。一方、これまで繁殖がみとめられていながら、今回記録が現われていないのは種子島である。同島および屋久島には亜種のシマメジロが生息し、数も少なくない。屋久島では繁殖の確認もされている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

97

916

268

1,281

構 成 比(%)

7.6

71.5

20.9

100.0

 

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