428 シジュウカラ

 スズメよりわずかに小さな鳥。頭部と喉は藍黒色で頬と下面は白色。背面は黄緑色で腰の付近から下は灰青色である。腹部には喉から黒帯が縦走する。留鳥として各地に周年生息する。分布は、北海道、礼文島、利尻島、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、対馬、壱岐、五島列島、伊豆諸島(大島、利島、新島、三宅島、御蔵島、八丈島)、奄美大島、徳之島、沖縄本島、屋我地島、石垣島、西表島。主に平地から低山帯(標高1,500mぐらいまで)にかけて生息し、標高2,000m付近まで生息することもある。環境に対する適応性が強く、様々な林に生息するが、よく茂った落葉広葉樹林にはとくに多い。繁殖期には番で生活するが、他の時期には他のカラ類と混群をなすことが常で、秋、冬には小群で市街地に漂行することがある。低山帯の森林で繁殖することが多いが、市街地や公園などいたるところに営巣する。巣は樹洞、石垣や人家のすきまなどにつくられ、巣箱を利用することも多い。多量の蘚類を用いて椀の形をつくった中に獣毛、羽毛などを敷いた巣をつくる。巣の高さはまちまちで、地面すれすれから地上5〜6mぐらいのものがある。産卵期は4月から7月ぐらいまでで、1巣の卵数は通常7〜10個である。抱卵後2週間足らずで孵化し、更に16〜20日ぐらいで巣立つ。

 本種は日本各地に最も多い鳥のひとつで、その繁殖環境も多岐にわたる。とくに身近に巣箱を利用する鳥として知られているが、繁殖地図も全国各地で広く繁殖する様子を示している。秋田県南部の本庄から湯沢にかけての付近、関東地方の小山、下館付近、兵庫県の加古川から西脇にかけての一帯、また五島列島、大隅諸島などで繁殖がみとめられなかった。五島列島ではこれまで生息がみとめられていたが、この調査ではCランクの記載もない。種子島、屋久島の両島ではこれまでも生息がみとめられず、この調査でも確認されなかった。本種が長距離を飛翔することは極めてまれであることから、今後も両島には分布しない状態が続くものと思われる。今回あらたに繁殖の可能性があるとされたのは壱岐である。これまで生息の確認はされており、繁殖について確認はされなかったものの今後確認されることはほぼ確実であると思われる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

519

1,609

281

2,409

構 成 比(%)

21.5

66.8

11.7

100.0

 

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