427 ヤ  マ  ガ  ラ

 スズメ大の鳥で、頭上と喉は黒色。後頭部と額、頬はクリーム色。背面は青灰色で下面は栗色である。本種は細かく亜種に分かれるが、それぞれ留鳥として周年生息する。種としての分布域は、北海道、奥尻島、本州、佐渡、伊豆諸島(大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島)、隠岐、四国、対馬、九州、屋久島、種子島、奄美大島、徳之島、沖縄本島、西表島、南大東島、北大東島の各地である。以下記載はヤマガラ(Parus varius varius)に代表させるが、各亜種はこれに類似し、南方のものほど栗色が濃い。亜高山帯の下部(標高1,500mぐらい)より下のブナ、カツラ、ナラなどの落葉広葉樹林、雑木林に生息する。生息数は他のカラ類ほど多くない。冬期には人里近くまで漂行する。繁殖期には番で生活するが、他の時期にはカラ類やコゲラなどと混群をなす。営巣環境は北海道では平地、本州では平地、低山帯の森林中で、樹洞や建物のすきまなどに営巣する。巣箱を利用することもある。巣は蘚類を用いて椀の形をつくり、内部に獣毛、羽毛を敷く。産卵期は4月から7月までで、1巣の卵数は5〜8個である。卵は白色の地に淡褐色、灰青色の微小斑が散在する。

 本州、四国、九州などにおける今回の調査結果は、ほぼこれまでに確認されている通りである。東京では明治神宮の森で繁殖するとされていたが、この調査では繁殖の確認はされなかった。これまで北海道では南部で少数繁殖するだけであるとされていたが、今回、繁殖の確認あるいは可能性ありとされたのは中央部から東部にかけてであることが注目される。南部でも数ケ所で生息の確認がされているが、繁殖の確認はされていない。また、今回利尻島において生息の確認がされているが、これまで同島における記録はなかった。沖縄本島と西表島には少なからず生息するとされながら、沖縄諸島と先島諸島での繁殖についての記録はなかった。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

198

955

190

1,343

構 成 比(%)

14.7

71.1

14.1

100.0

 

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