426 ヒ   ガ   ラ

 スズメより小さい鳥。頭部は金属光沢のある藍黒色で冠羽がある。喉は黒色。頬と下面とは白色である。背面は青灰色で、後頭部に白斑がある。留鳥として北海道、利尻島、本州、佐渡、四国、九州、対馬、屋久島に生息し、伊豆諸島(大島)、琉球などにも渡来する。標高500mぐらいから2,500mぐらいの森林限界までの針葉樹林、落葉広葉樹林、雑木林などに生息する。冬期は低山地に漂行するものが多く、厳冬期(1月から2月ごろ)には標高1,500m以下に漂行するが、平地までおりることは少ない。繁殖期には番で生活するが、他の時期には群棲し、他のカラ類と混群をなすことが多い。カすラ類のうちで最も囀鳴期が長く、4月から8月ごろまでのほか、10月ごろまで囀ることがある。低山帯、亜高山帯の森林中で、天然の樹洞やキツツキ類の古巣、樹幹のさけ目などに営巣する。巣穴は15〜5mぐらいの高さにあることが多い。巣は蘚類を多量に使用して椀の形をつくり、内部に獣毛や羽毛を敷く。産卵期は5月から6月あるいは7月までで、1巣の卵数は5〜8個である。卵は白色の地に淡紫色、赤褐色の微小斑が散在する。雛は抱卵後2週間ぐらいで孵化し、更に2週間余りで巣立つ。本種は、北海道においては平地から亜高山帯にかけて、また北海道以外においては低山帯および亜高山帯で繁殖することが知られている。

 今回の調査では、北海道における繁殖地は東部の平地から中央部の亜高山帯にかけての地域を中心に、ほぼ全域にわたっている。北海道以外の地域では、亜高山帯を中心に繁殖地が広がっている。このため本種の繁殖地図は、コガラの繁殖地図に肉付けをしたようなかたちになっている。平地においてはAランクを見出すことはできないが、海岸部などの標高のかなり低い地域でのBランクは少なからず見られる。この場合でも北海道東部に見られるように平野にまで広がるということはなく、山が迫っているところに限られている。北海道、本州、四国、九州の4島以外では、屋久島で繁殖確認、対馬、佐渡、利尻島で繁殖可能性ありとされた。利尻島は、これまで越冬記録があるだけで、繁殖は確認されていない。同島には利尻岳などもあり、本種の繁殖には適していることから、今後繁殖が確認される可能性は大きい。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

129

898

124

1,151

構 成 比(%)

11.2

78.0

10.8

100.0

 

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