424 ハシブトガラ

 コガラに酷似する小型の鳥。頭部は光沢のある漆黒色で、喉も黒色である。背面は淡灰褐色で、頬から下は白色である。北海道に周年生息し、夏期西南部では主として標高300m以上の山地の森林に、東北部では森林限界から平地近くまでの森林に生息する。繁殖期には番で生活するが、他の時期にはヒガラ、ゴジュウカラなどと混群をなすなど、群生するものが多い。主に山地のトドマツなどの森林で、天然の樹洞やキツツキ類の古巣などを利用して営巣する。苔類を多量に使用して椀形の巣を造り、その上に獣毛を敷く。産卵期は4月から5月ごろまでで、1巣の卵数は5〜8個である。卵は白色の地に淡赤褐色の微小斑が散在する。雛は抱卵後2週間ほどで孵化し、その後更に2週間ほどで巣立つ。

 今回の調査によって、北海道の西南部を除くほぼ全域にわたって分布、繁殖している状況が明らかになった。これまでは利尻島においても繁殖が認められていたが、今回繁殖は確認されなかった。大雪山でも本種の生息については標高1,400m以下のトドマツ、エゾマツなどの針葉樹林に多い(清棲 1978)とされている。しかし、今回は北海道中央部の山地での繁殖確認の記録はなかった。本種の繁殖していない地域をうめるように、コガラが繁殖をしていることは興味深い。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

21

125

39

185

構 成 比(%)

11.4

67.6

21.1

100.0

 

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