400 シマセンニュウ

 全長約155mm。体の上面は赤味を帯びたオリーブ褐色で、濃色の過眼線と淡色の眉斑がある。喉から腹部にかけては汚白色である。日本には夏鳥として2つの亜種が渡来する。北海道に渡来する亜種(L. ochotensis ochotensis)は、平地の草原に生息する。草の中で生活し、姿をあまり見せないが、時々囀りながら草中より垂直に舞いあがることがある。6〜7月、草原の地上や草上、低木の枝上などに営巣する。イネ科植物の枯葉や茎を用い、産座には細い枯葉や羽毛を敷く。淡褐色、淡紫色、灰紫色等の小斑が密にある卵を5〜6個産卵する。主に昆虫類を餌とするが、植物の種子も食する。伊豆諸島及び本州や九州の島に渡来する亜種(L. ochotensis pleskei)も、形態・習性等よく似ている。

 今回の調査では、北海道と紀伊半島の一部及び九州沿岸の島で記録された。北海道では、北部の稚内周辺の平野からオホーツク沿岸の平野、根室一帯、十勝川河口一帯、石狩平野等、海岸の草原を中心として分布するが、分布は限られている。確実な繁殖記録はいずれも海岸部にあり、内陸の記録は「繁殖の可能性あり」又は「生息を確認したが繁殖については何とも言えない」という記録であった。北海道以外に生息する亜種ウチヤマシマセンニュウは、これまで伊豆七島、福岡県机島・沖島等で記録されている。今回の調査では福岡県沿岸の島嶼の他、種子島で生息を確認し、三重県の尾鷲沿岸では、確実な繁殖記録を得た。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

13

38

13

64

構 成 比(%)

20.3

59.4

20.3

100.0

 

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