338 イ ワ ツ バ メ

 上面は、頭部から背、肩羽、上腰部は金属光沢のある藍黒色、下腰から上尾筒の上部は白色。翼は濃黒色、尾も濃黒色で浅い凹尾。下面は、喉から胸、腹、脇、下尾筒は汚白色。嘴は黒色、脚は淡肉色で白色の羽毛で覆われている。♂♀同色、同大。全長145mm。鳴き声は、ジュリジュリ、とかジッジッと濁った声で鳴く。夏鳥として、九州以北の山地や海岸に多く渡来するが、近年市街地にも多数渡来するようになった。本州中部の北アルプス地方では、標高500mぐらいの山地から、標高3,000mぐらいの高山にわたり、山麓の人家および山地や高山の岩壁に営巣する。その他、本州中部の山地には生息地が多く、栃木県奥日光、同塩原、同那須、群馬県伊香保、同草津、長野県志賀高原など、温泉街のあるような場所には特に多い。また、海岸の岩壁にもよく営巣する。その他、近年、本州や九州の平地の都市でも、ビルや倉庫、学校などの建造物に、本種が営巣するようになってきた。

 通常、群で行動し、繁殖地や採餌地の上空を大群で乱舞し、空中で昆虫類(ハエ、カ、ハチ、アリなど)を捕食する。巣材の土を取る時以外は地上に降りない。高山や山地、海岸などの岩壁や学校、旅館、倉庫、駅、神社、寺などの軒、壁、天井、橋げた、ビルなどの壁面に、泥と枯れ草を用い、つぼ型の巣を造る。産卵期は、4月下旬〜8月上旬ごろで、斑紋のない純白の卵を2〜8個産む。14〜15日で孵化し、その後22〜28日ぐらいで巣立ちする。

 本種の繁殖分布は、北海道から九州までで、北海道では、海岸、山地に多いが、近年平地でも繁殖するようになった。本州では、海岸、平地、山地、高山まで生息し、近年は各地の市街地でも多数繁殖するようになった。中国地方でも、海岸や山地の岩壁に多数生息しているが、生息地、個体数とも中部以北が多い。四国では、本種は、生息地、個体数とも少なく、徳島県では、人家の軒下などで営巣していたが、最近減少している。九州では、海岸、山地に多数生息しているが、近年平地や市街地でも繁殖するようになってきた。島嶼部では、焼尻島、佐渡、伊豆諸島の三宅島及び八丈島での繁殖が知られている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

271

64

223

558

構 成 比(%)

48.6

11.5

40.0

100.0

 

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