334 ショウドウツバメ

 上面は、頭部から頸、背、肩羽、腰、上尾筒は暗褐色。翼、尾も暗褐色である。下面は、喉から胸、腹、下尾筒にかけ白色で、胸には暗褐色の幅の広い帯があり、正面から見るとT字型になっている。嘴は、小さく扁平で黒色。脚は暗褐色。♂♀同色、同大。全長125mm。日本産ツバメ類中最小種。鳴き声は、チュリリーとかジュジュという声で、飛行中にも鳴く。夏鳥として、北海道全域に渡来し、営巣地近くの湿原や原野、海岸などにすむ。通常、集団で生活し、空中で飛行中の昆虫類(ウンカ、フウセンムシ、ミズムシ、ハエなど)を飛びながら捕食する。飛翔は、翼をひらひらとはばたくが、イワツバメより飛び方が遅い。また、ツバメより滑翔することが少ない。電線や水草などに止まって休むこともある。湖沼や河川などの岸にある、砂または土の断崖や、耕地の砂層の断崖などに、穴を掘り巣とし、数十〜数百の集団で繁殖する。巣穴は、砂または土の層に、自力で、直径5〜9cm、深さ20〜100cmの穴を掘り、奥を産座とする。産卵期は、6〜7月ごろで、斑紋のない純白の卵を3〜5個産む。通常、年2回繁殖する。

 本種の繁殖分布は、北海道のみである。道内の各地で営巣していて、例えば湖沼付近では、石狩支庁札幌近郊の茨戸湖、河川では、網走支庁湧別川流域、常呂川流域、苫前など。網走支庁美幌町では耕地中の砂層の切立地に集団営巣している。昔は、石狩川の土手や、札幌市新川の土手などで多数営巣していたが、近年、河川や道路の改修などによって、砂や土の断崖面が減少し、営巣できなくなっている。しかし、現在でも、北見、網走方面の未開発地では多数生息している。島嶼部では、今回、利尻島で繁殖が確認されたのは、新しい知見である。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

24

3

24

51

構 成 比(%)

47.1

5.9

47.0

100.0

 

繁殖分布地図索引へ