327 コ   ゲ   ラ

 上面は、頭から背、肩羽、腰、上尾筒、尾まで黒褐色。♂の後頭の両側には赤色の羽毛があるが、野外では見えにくい。翼も黒褐色で、白斑が横しま状に数条ならんでいる。尾はくさび型。顔には白い眉斑があり、頸側部まで続いている。下面は、喉から胸、腹、下尾筒まで淡黄白色で、胸、腹には褐色の斑がたてに数条ならんでいる。嘴は灰黒色、脚も灰黒色。♂♀は、頭部の赤い羽毛以外は同色、同大。全長150mm。日本産キツツキ類中最小。鳴き声は、ギィーギィーときしるような声。ドラミング音も小さい。留鳥として、北海道から南西諸島までの全国の平地から山地に生息している。本州中部の北アルプス地方では、標高700m〜2,300mぐらいの雑木林、落葉広葉樹林、カラマツ林、亜高山帯の針・広混交林などに生息している。伊豆諸島の三宅島では、おもに海岸近くや山腹にあるオオバヤシャブシの林などに生息し、御蔵島では、山腹の雑木林に生息する。通常、森林内で単独または♂♀で生活し、堅い尾羽を利用して樹の幹にたてに止まり、嘴で幹に穴を開け、内部の昆虫類(アリ、ハチ、コガネムシ、ガの幼虫など)を食べる。またハゼやヤマウルシなどの植物の実も食べる。広葉樹林や雑木林内の喬木の幹に、嘴を使って、直径3〜4cm、深さ15〜35cmぐらいの穴をほり、巣とする。産卵期は5月上旬〜6月中旬頃で、斑紋のない純白の卵を5〜7個産む。

 本種の繁殖分布は、北海道から南西諸島までであるが、北海道では、平地から山地まで普通に繁殖し、個体数も多い。本州では、平地から山地の森林に普通に生息し、キツツキ類では一番個体数が多い。また本土から近い小さい島でも繁殖している。四国では、低山部から標高1,700mぐらいの落葉広葉樹林などに普通に生息する。九州では、平地から山地にかけて普通に生息する。また対馬でも繁殖するが、個体数は少ない。南西諸島では、奄美大島、沖縄本島、屋我地島、西表島で繁殖しているが、個体数は多くない。伊豆諸島では、三宅島、御蔵島、八丈島で繁殖している。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

170

703

661

1,534

構 成 比(%)

11.1

45.8

43.1

100.0

 

繁殖分布地図索引へ