325 オオアカゲラ

 上面は、♂では頭頂部が赤色で、♀では黒色。後頸から背、肩羽、上尾筒は黒色で、腰は淡い赤色をおびた白色。翼は黒色で、白斑が数条横しま状になっている。尾は黒色で、くさび型。下面は、顔から喉、胸、腹にかけては淡赤褐色、腹から下腹部にかけては淡赤色である。黒色の顎線が長くのび、腹、脇には細長い黒斑が点在する。嘴は灰黒色、脚も灰黒色。♂♀は、頭部以外はほぼ同色、同大。全長280mm。本種には亜種が多く、地域によって体色が著しく異なる。北海道に生息する、エゾオオアカゲラでは下面が白く、奄美大島に生息する、オーストンオオアカゲラでは全体黒味が強く、翼の白斑が小さい。鳴き声は、アカゲラに似るがやや強く、ドラミングの音もアカゲラより著しく大きい。留鳥として、北海道から奄美大島までの森林に生息している。本州中部の北アルプス地方では、標高1,400〜2,000mぐらいの、ブナやニレなどの落葉広葉樹林や亜高山帯の針葉樹と落葉広葉樹の混交林に生息する。通常、森林内で、単独または♂♀で生活する。習性はほぼアカゲラと一致し、昆虫類(カミキリムシの幼虫やハンミョウ、ゴミムシなど)を主食とし、ハゼやスイカズラなどの漿果を食べることもある。営巣は、落葉広葉樹林や混交林中の樹木の幹に、嘴を使い、直径6〜7cm、深さ40cmぐらいの穴を掘り、巣とする。産卵期は、4〜5月くらいで、斑紋のない純白の卵を3〜5個産む。

 本種の繁殖分布は、北海道、本州、四国、九州、および奄美大島までで、北海道では、各地の山地の森林に普通に生息するが、個体数は少ない。本州の中部以北では、山地の森林に生息するが、個体数はあまり多くない。近畿以西では、平地から山地の森林に生息し、個体数も多い。特に山陰地方には多い。また、今回の調査では確認できなかったが、佐渡でも繁殖している。四国では、剣山などの、標高1,200〜1,700mぐらいの山地の森林に生息する。九州では、山地の森林に生息するが、個体数はあまり多くない。奄美大島では、和瀬峠や本茶峠などの、イタジイ、タブ、アカガシなどの照葉樹の原生林に好んで生息しているが、近年、原生林の伐採などのため、生息地が減少し、個体数は減っている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

35

137

78

250

構 成 比(%)

14.0

54.8

31.2

100.0

 

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