320 ヤ マ ゲ ラ

 上面は、♂では額から頭上の中央部まで赤色、後半分は灰色。♀では赤色部分がなく、全体灰色。背から肩羽、腰、上尾筒はやや灰色がかった黄緑色。翼は初列風切部が黒色で、白斑が横じま状にならんでいる。他は黄緑色。尾は黒色をおびた黄緑色でくさび型。顔には黒色の顎線がある。下面は、胸から腹、脇、下尾筒は淡い黄緑色をおびた灰色。嘴は灰黒色で、下嘴の基部は淡黄色。脚は緑色をおびた灰色。♂♀は頭部以外では同色、同大。全長295mm。鳴き声はキョッキョッという声で、繁殖期にはピョーピョピョとも鳴く。他のキツツキ類同様ドラミングを行ない、さえずりのかわりにする。留鳥として、北海道の平地から高山までの、落葉広葉樹や針葉樹の森林に生息し、時には、灌木林や農耕地にも飛来する。通常、森林内に単独で行動することが多く、他のキツツキ類同様、堅い尾羽を利用し、樹の幹に垂直に止まり、嘴でつついて幹に穴を開け、内部の昆虫類(アリ、カミキリムシ、ゾウムシ、カメムシ、ガの幼虫など)を、長い舌を使って穴から引き出し食べる。樹幹に止まって、幹の周囲をくるくるとらせん形に回りつつ登っていく。また、人などを見つけると、幹の裏側にかくれる。アオゲラ同様、地上に降りてアリなどを食べたり、細い枝やつるなどに止まって、ナナカマドなどの漿果も食べる。営巣は、森林中の巨木に、♂♀共同で嘴を使って、直径6cmぐらいの穴を掘り、巣とする。産卵期は、4月下旬〜6月ごろで、斑紋のない純白の卵を6〜8個、時には9個産む。

 本種の繁殖分布は、北海道に限られていて、本州以南には生息していない。本州で数回採集されているが、いずれも迷鳥である。北海道にはキツツキ類が8種類生息していて、本州の5種、四国・九州の3種に比べ生息種が多い。本種は、本州以南に生息するアオゲラに相応する種で、この2種は津軽海峡を境に、生息分布を分けている。なお、本種は島嶼部には生息していない。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

11

48

32

91

構 成 比(%)

12.1

52.7

35.2

100.0

 

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