316 ブッポウソウ

 頭部全体は暗緑色で、背面から肩羽、腰、上尾筒および胸から腹、下尾筒は青緑色。翼は暗藍色で、初列風切羽の基部の近くには白色の幅の広い帯があり、飛翔時には目立つ。尾は暗藍色。嘴は太く、赤色。脚も赤色。♂♀同色、同大。全長295mm。鳴き声は、ゲエッ、ゲエッ、またはゲゲゲッ、ゲーゲゲッと聞こえる声で鳴く。古来、本種が『仏・法・僧』と鳴くと信じられ、種名が付けられたが、昭和の初め、実際はコノハズクが鳴いている事実が見つかった話は、広く知られている。夏鳥として、本州以南の平地から山地に渡来し、スギ、ヒノキ、モミなどの巨木からなる針葉樹林に生息する。本州では、山形県御岳神社、山梨県身延山(標高1,143m)、長野県若宮・里宮神社(標高900m)、岐阜県洲原神社(標高100m)、愛知県鳳来寺山、鹿児島県霧島神社(標高400m)などが、渡来地として、古くから有名である。通常、樹上に生活し、高い所の枯枝など見晴しの良い所に止まり、近くを飛ぶ昆虫類(コガネムシ、カブトムシ、セミ、トンボなど)を見つけると飛んでいき、空中で捕食し、また元の枝に戻るといった採餌方法をとる。不消化物はペリットとして吐き出す。スギ、ヒノキ、モミなどの針葉樹や、トチ、クリなどの落葉広葉樹の巨木の樹洞やキツツキの古巣などを用い巣とする他、電柱の穴、建造物のすき間、ダムの排水坑、巣箱なども営巣する。産卵期は5月下旬から7月上旬ごろで、斑紋のない、純白の卵を3〜5個産む。22〜23日で孵化し、その後20日ぐらいで巣立ちする。

 本種の繁殖分布は、本州以南であるが、従来北海道で、夏期生息の記録がいくつか知られている。本州では、平地から山地まで生息しているが、分布は局地的である。しかし、場所によっては、個体数が多い所もあり、特に、中国地方には多く、兵庫・鳥取・広島県下ではよく観察されている。佐渡でも繁殖記録があるが、今回は生息が認められなかった。四国、九州でも、分布は局地的だが、各地に渡来する。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

64

29

51

144

構 成 比(%)

44.4

20.1

35.4

100.0

 

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