309 ア マ ツ バ メ

 上面は頭から背、肩羽および上尾筒は黒褐色。翼は藍緑色がかった金属光沢のある黒褐色。腰は白色で、尾は金属光沢のある黒褐色で、燕尾である。下面は、喉が汚白色、胸から腹、脇、下尾筒は暗褐色で、羽端に白色縁があるので、近くで見ると、汚白色の横しまが多数あるが、通常、野外で見る場合は、飛翔時が多いため、黒色の体に、腰の白色が目立つ程度である。嘴は扁平で小さく、黒色。脚は小さく、黒色。♂♀同色、同大。全長195mm。しかし、翼が細く、長く、大きいため、翼開長は430mmもある。尾は通常飛翔時には閉じていることが多く、とがって見える。飛行速度は速く、身近かを飛ぶと風を切る、すさまじい羽音が聞える。夏鳥として、全国の高山や海岸に渡来する。本州中部の北アルプス地方では、標高2,300mから3,100mぐらいの高山帯に生息し、採食時には標高500mくらいの山麓へも飛来する。栃木県奥日光、塩原などの山地にも多く、岩壁付近に生息する。また、海岸や島嶼部にも多く、三重県の熊野灘沿岸地方や岩手県三陸海岸地方には多い。通常、高空を群で飛行し、空中でおもに昆虫類(ガガソボ、ハエ、カ、アブ、ゴミムシなど)を捕食する。本種は飛行生活に適し、交尾なども空中で行なう。岩壁などに止まる場合は、趾で懸垂をするような形をとる。高山や島、海岸の岩壁の亀裂やすき間に集団営巣する。巣は根や茎、葉を材料に粘着性の唾液を用い、椀形に造る。海岸や島では、海草を巣材とする。産卵期は6〜7月ごろで、長卵型で斑紋のない純白の卵を2〜3個産む。

 本種の繁殖分布は、ほぼ全国にわたり、北海道では、海岸から高山帯まで生息している。本州では、岩壁のある高山や、海岸、周辺の小島に多数繁殖している。しかし、山岳部では繁殖確認をすることが難しく、東京でも、奥多摩地域から、多数飛来するが、営巣地は見つかっていない。四国では、海岸や山地などで繁殖する。九州でも、海岸と高山で繁殖が確認されている。島嶼部では、佐渡、伊豆諸島、屋久島、徳之島などに分布していることが知られているが、今回の調査では、佐渡、石川県七ツ島、甑島列島での繁殖は新しい知見である。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

27

13

123

163

構 成 比(%)

16.6

8.0

75.5

100.0

 

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