271 ケ イ マ フ リ

 全長370mm。夏羽は全身黒褐色で眼の周囲が白く輪になっている。脚は赤色で、嘴は黒く細い。冬羽では喉から下面全体が白くなる。夏期は北海道や北日本の海上、海湾、島嶼、岩礁に生息、繁殖し、冬期は本州の海上、海湾に生息する。♂♀、または単独や小群、大群で海上を泳いだり、巧みに潜水したりして、餌をあさる。海上では体を平にしてかなり高く浮かび、頸を縮めることが多い。潜水時には翼と脚の両方を動かす。飛翔は小さい翼を激しく羽ばたいて海面すれすれを直飛する。飛び立つ時には助走を必要とする。岩礁上で休息する時には体を直立させており、赤い脚が目立つ。岩礁のすきま、岩壁の亀裂等を巣とする。奥ゆきは1〜1.2m位ある時もある。巣材は使用せず、岩や小石の上に直接産卵する。1巣の卵数は2〜3個がふつう。

 北海道、礼文島、利尻島、本州北部、対馬、伊豆諸島(八丈島)に分布し、北海道と本州北部で繁殖する。繁殖地周辺では留鳥として周年生息するものもあるが、本州中部には冬鳥として11月頃渡来し、翌春4月頃までとどまる。本州での分布は主に駿河湾以北である。

 今回の調査では北海道落石岬と霧多布に於いてのみ繁殖が確認された。その他の繁殖地としては北海道ユルリ、モユルリ島、大黒島、天売島、松前小島(環境庁 1977)、青森県尻屋崎、岩手県三貫島等がある。また、宮城県桃生郡双子島、岩手県釜石湾内大刀ケ根島でも繁殖の記録がある(清棲 1978)ところから今後の調査に期待したい。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

2

0

0

2

構 成 比(%)

100.0

0.0

0.0

100.0

 

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