254 オオアジサシ

 中国南部、フィリッピン、ソロモン諸島、ニューギニア、オーストラリア、台湾等で繁殖する。我国では夏鳥として4月頃渡来し、10月頃渡去する。奄美諸島、沖縄諸島、先島諸島、小笠原諸島、大東諸島等で繁殖が知られているが数は多くない。アジサシ類では大型で、アジサシよりも大きくユリカモメより少し大きい位である。夏羽では額は白く頭は黒く冠羽がある。嘴は黄色で大きく、脚は黒い。冬羽では頭頂部に白色羽が混じる。♂♀同色。九州以南の海上では稀とはいえないが、本州の海上では極く稀である。海岸や海洋の上空を翼をひらひらとはばたいてとび回り、獲物を見つけると上空から直角に水面に急降下して餌を取る動作によって、カモメ類と区別出来る。又嘴を垂直に下げ、尾を広げて翼をばたばた激しくはばたいて停空飛翔を行いながら餌を探すこともある。鳴声はクワッ、クワッ又はクッリリー等と高い声で主に飛びながら鳴く。繁殖地は海岸の砂地や岩礁、島の砂地、岩礁等に集団で繁殖する習性がある。砂地にくぼみを作るか又は岩礁に直接卵を産み巣材は使用しない。産卵期は5月〜6月で、卵数は普通2卵で1卵の事もある。卵の色はクリーム色、淡青白色等の地に褐色、紫褐色、黒褐色等の大小の斑点や斑紋がある。餌は動物質を取り魚類、軟体動物等が主なものである。

 今回の調査では繁殖の確認はなく、わずかに奄美諸島の徳之島で生息を確認したが、繁殖については何とも言えないCランクがあっただけである。本種の記録としては先島諸島では夏期サンゴ礁上に休んでいる20羽前後の群れが生息し、奄美大島の名瀬港でも夏期見られているので、それ程少ない種とは思えない。又小笠原諸島でもかなりの数が見られている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

0

0

1

1

構 成 比(%)

0.0

0.0

100.0

100.0

 

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