223 アマミヤマシギ

 前述のヤマシギと非常に良く似た種で、以前はヤマシギの亜種として扱われていたが、現在は別種として認められている。奄美大島だけに一年中生息する留鳥である。ヤマシギよりやや大きく、全身に褐色味が強く、赤褐色味に欠けていて、オリーブ色がかっている。特に上尾筒、額、前頭等ではっきりしている。又翼下面がより暗色をしている事でヤマシギと区別出来るが、冬期奄美大島で越冬しているヤマシギとの区別は、夜間又は森林中では困難と思われる。♂♀同色である。山地のシイ、カシ、ユズ等の常緑広葉樹林及びサトウキビ畑に生息するが、昼間はほとんど見る事が出来ない。営巣場所は常緑広葉樹林の林緑やサトウキビ畑の中である。林の中の巣はシダ類におおわれている場合が多く、落葉が多い湿潤な地上のくぼみに皿形の巣を作り、産座にはシイ、カシ等の枯れ葉を敷く事が多い。産卵期は4月上旬から6月下旬頃であり、1巣の卵数は普通3〜4個である。卵の色は淡黄色の地に暗赤褐色の斑点が多量にあり、淡暗黄色の斑点が少しある。鳴声はヤマシギによく似た声をしている。餌は主に動物質である。

 今回の調査では奄美大島本島からは生息の確認がなく、わずかに徳之島で、繁殖の確認は出来なかったが、繁殖の可能性のあるBランクが1ケ所あっただけであった。数の多い鳥ではないが、湯湾岳ふもとの大和村のスーパー林道に於いて10羽以上の観察例もある。本種の様に限られた場所(特に島の場合は更に重要)に生息する様な場合には、何かの原因で絶滅してしまう可能性もあるので、早急に調査を行ない、その調査結果によっては保護対策も必要と思われる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

0

1

0

1

構 成 比(%)

0.0

100.0

0.0

100.0

 

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