日本の代表的な野鳥で1947年「国鳥」に指定されている。大きさはニワトリ大であるが、尾が長いので大きく見える。♂は全身緑色っぽく、金属光沢があり、極めて美しい。尾は非常に長く、顔はハート型に赤く、特に繁殖期には鮮紅色となる。♀は全身茶褐色で、黒褐色の斑点があり、♂程ではないが、尾は長い。平地や山地の草原、農耕地、雑木林、低木林、川原の草原等に生息し、ヤマドリに比べて開けた場所を好む。又人家近くにも比較的多く見られる。しかしながら狩猟鳥となっている為、狩猟人口の増加及び生息環境の悪化により減少傾向にあるが、保護区では人工増殖を行って放鳥しているので増加傾向にある。♂の方が♀より大きく一夫多妻の代表的な鳥であり、数羽の♀を引きつれた♂をしばしば見かける。繁殖期の♂はケーンケーンと良くなき、それに伴ない両翼を振ってバサバサと音を立てる動作を行なう。4〜7月頃にかけて、草原、低木林、農耕地周辺の草むらの中などに巣を作る。地上にくぼみを作って巣とし、産座には枯草、枯葉等を敷く。卵は6〜12個位であり、卵の色は褐色を帯ぴた緑灰色で無斑である。孵化した雛はすぐに歩けて、自分で餌もとれるが♀親がつれて歩く。餌は植物質の芽、葉、種子等や動物質では昆虫類、蛛形類、多足類、軟体動物等を食べる。
今回の調査結果では、北海道、本州、四国、九州と全国的に繁殖が認められた。北海道では全域に生息しておらず中央を南北に走る北見山脈、大雪山、日高山脈以東の地域では生息の確認がなされていない。道東、道北等寒さの厳しい地方ではくりかえし放鳥しているが数が増えない。又種子島、屋久島より南の奄美大島、沖縄本島、八重山群島では繁殖はもちろんの事、生息の確認すら出来なかった。伊豆七島の大島、新島、式根島、三宅島、八丈島にも生息しているが、大島以外では放鳥されたものである。北海道及び対馬には従来キジはいなかったので、朝鮮産のコウライキジを輸入して放鳥したものが、その後増えたものである。コウライキジは日本固有のキジと異なる亜種で、♂には首に白い輪があり、体全体は鮮やかな黄褐色で、♀はキジの♀に似ている。1920年頃から本州、九州にもコウライキジを放鳥したが、キジとの雑種は繁殖力が弱く、ほとんど跡を絶ってしまった。
Aランク |
Bランク |
Cランク |
合 計 |
|
サブメッシュ数 |
191 |
656 |
146 |
993 |
構 成 比(%) |
19.2 |
66.1 |
14.7 |
100.0 |