146 コ ジ ュ ケ イ

 全長270mm。頭は褐色で、羽毛に暗褐色の細い縁がある。目先から目の上を通り、後頭まで、太い明瞭な灰青色の眉斑がある。頬、耳、首横は鮮赤褐色。首には、幅の広い灰青色のよだれかけ様の部分があり暗色の細かい鱗状の縞がある。肩から背は褐色で、暗褐色の細い横縞多数と、濃い栗色の斑点がある。胸、腹、脇、下尾筒は黄褐色で、脇の冬羽には黒褐色の三日月形斑紋がある。腰、上尾筒は褐色、尾は赤褐色。嘴は暗褐色。虹彩は鮮褐色。脚は帯緑灰色。♂♀は同色。♂にはけずめがある。地上を歩いて移動する事が多いが、羽ばたきと滑空を交じえて直線的に飛ぶ。かなり長い距離を一気に飛び、小さい谷であれば対岸まで飛ぶ事もある。一年中大きな声で良く鳴く。チョットコイと聞こえる。またコッコッコッコッとか、アオゲラに似た声でピョーとも鳴く。

 中国原産の鳥であり、狩猟鳥として、大正8年に東京、神奈川で放鳥されたものが、自然繁殖したものである。また後には静岡県、兵庫県など、全国各地で放鳥された。下草の良く茂った雑木林、低木林、竹薮等に好んで生息し、人家付近や平地、丘陵に多く、温暖な地方に多い。一年中同じ地域に生息する。夜は木の枝上に眠る。餌は、雑食性であるが、植物質、特に穀類の種子が多い。また、ヤマイモのムカゴなども食べる。動物質の餌としては、昆虫類、クモ類を食べる。ミミズは特に好きである。

 雑木林、低木林、薮、苗畑、庭園、大公園、ゴルフ場の草むらなどに営巣する。巣は地上で、周囲が草で覆われていることが普通。地上に窪みを作り、産座には草を敷く。巣は外径16cm、高さ2.5cm。産卵期は5〜6月。卵は淡黄灰色で無斑。小斑の出るものもある。37×26mm、13g。1腹卵数は7〜8個。孵化日数は17〜19日。雛は早成性であるが、最初は親から餌をもらうようである。

 今回の調査では太平洋沿岸の各県から繁殖および繁殖の可能性が報告された。北限は宮城県で、一部岩手県に入っている。日本海側では繁殖の可能性のみで、石川、京都、鳥取、島根と散発的である。これは、冬期の寒さと積雪によるものと推察される。また佐渡、隠岐、対馬、壱岐、五島、種子島の各島でも繁殖の可能性が報告されている。

 本種は、鳴声も大きく、雛連れの親を見かける事も多いので、他の地上性の鳥に較べて、繁殖確認が困難ではないと思われる。このため、放鳥記録と合せて、本種の分布拡大を跡づける事が出来る。安定した個体群を維持し、分布を拡大している本種と、在来の種で、同様の環境に生息するキジ、ウズラなどとの競合関係、渡り、移動などを調査することは、是非とも必要な事である。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

153

831

137

1,121

構 成 比(%)

13.6

74.2

12.2

100.0

 

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