124 ハ  イ  タ  カ

 全長約390mm。ハト位の大きさのタカ。♂の成鳥では、体の上面、頭、後首、背、肩、腰、尾は、暗い石板色。灰白色の細い眉斑がある。耳の下に赤錆色の点がある。下体面は、喉は白で黒色の軸線があり、胸から腹、下尾筒にかけては、赤錆色で、暗褐色の細い横縞が多数ある。嘴は石板色で先端が黒。脚は帯緑黄色。爪は黒角色。虹彩は橙黄色。♀では♂より大型で、上面は全体に石板色。灰白色の眉斑は、♂よりも明瞭。下面に赤錆色はなく、暗褐色の細い横縞がある。幼鳥では、全体に褐色味が強く、下面の横縞は、♀成鳥よりも太い。♂♀とも飛んだ時には、翼の先が丸く、尾が長い。北海道、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、馬渡島、対馬、種子島、伊豆諸島(大島、新島、三宅、八丈)、南大東島に分布する。この他、ユーラシア大陸東部に繁殖し、冬期は中国南部、ビルマ、インドに渡る。夏期は、山地の森林に棲み、本州中部では700〜1,500mに最も多く、2,800m以上のハイマツ帯を飛ぶものも多い。秋から冬にかけては、平地、丘陵地のアカマツ林、雑木林に多い。飛行は、3、4回羽ばたいて滑空をまじえ、直線に飛ぶ。大空に帆翔し円を描くこともある。単独でいる事が多い。主として小鳥類を食べるがその種類は場所、季節によって異なる。

 繁殖地は、山間部の広葉樹林、アカマツ林などの4〜8m位の樹枝上に、細い小枝を積んで皿形の巣を作る。5月上旬から6月中旬に青灰色の地に赤褐色の粗大斑のある卵を産む。42×34mm。1腹の卵数は4〜5個。孵化日数35日。産卵間隔は2日。抱卵は♀が行い、♂が餌を運ぶ。巣立ち日数は28日前後。

 今回の調査では、北海道、本州から11例の確実な繁殖の記録が寄せられた。四国では越冬することが知られているが、繁殖の記録はない。今回、繁殖期に生息が認められたことは注目に値する。かつては、トビ、ノスリ、チョウゲンボウに次いで多いとされていた本種の調査結果が全国的に少ないのは、ツミと同じように、森林性のタカという事で、繁殖確認が困難という事なのであろう。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

11

16

99

126

構 成 比(%)

8.7

12.7

78.6

100.0

 

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