123 ツ      ミ

 全長約300mm。小型のタカ。♂の頭上、後首、背、肩は、石板黒色。肩羽には白色斑がある。顔も石板色。喉は白色で黒の軸斑。胸、腹は灰白色で、両脇胸は、赤錆色であざやか。下尾筒は白。尾羽は石板色で淡色の縞が4〜5本ある。翼下面は、細かい斑点がある。嘴は、石板灰色。先は黒。脚は黄色。虹彩は黄色。♀では、体が一まわり大きく、体の上面は同じ様な色であるが、下面の赤錆色がなく、喉は白く、胸から腹、下尾筒まで、太くはっきりした横縞がある。幼鳥は、全体的に暗褐色で、胸に暗褐色の縦斑があり、腹には、不規則な横縞がある。

 北海道、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、屋久島、伊豆諸島(八丈、鳥島)、小笠原群島(父島)、硫黄列島(北硫黄島)、奄美大島、石垣島、西表島、南大東島に分布することが知られている。本種は、夏期は低山帯に、冬期は低山帯及び平地にも現われる、いわゆる漂鳥であるが、冬期には、フィリピン、東南アジア方面に渡るものがある。翼は3〜4回羽ばたいて滑翔を交え直線的に飛ぶことが多い。単独生活をする事が多く、林やその周辺の丘陵、農耕地などを飛びながら餌をさがしていることが多い。主として小鳥類を食べる。鋭い爪で小鳥類を捕え、嘴で引き裂き、丸飲みにして、骨や羽毛などの不消化物を丸めて、ペリットにして吐き出すのが普通である。食物としては、小鳥類の他にヤチネズミなど小型の哺乳類、バッタ、トンボ、ガの幼虫なども餌とする。主として低山帯の落葉広葉樹林、雑木林などの地上5〜7m位の枝上に、小枝を積重ねて皿形の巣を作り、産座には、ヒノキなど針葉樹の青枝を敷く。繁殖期は5〜8月。卵は淡青白色の地に淡褐色又は黄色の小斑がある。35×29mm。1腹卵数は3〜4個。

 今回の調査では、北海道、本州、九州にわたって14サブメッシュの繁殖確実が報告された。繁殖の可能性ありと報告されたのは、全国で14サブメッシュあり、今後の調査で確認の記録をのばすことが出来よう。本種のように、森林性の小型のタカは、観察する機会が少ないので、繁殖の確認はなかなか困難と思われるが、既知の繁殖地の内、繁殖が確認されなかったのは四国である。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

14

14

37

65

構 成 比(%)

21.5

21.5

57.0

100.0

 

繁殖分布地図索引へ