058 コ  サ  ギ

 全長610mm。翼開長980mm。全身白色のサギ。脚は黒色で趾は緑黄色。繁殖期には頭上に長い白色の飾り羽2本が生じ、背にも飾羽を生ずる。繁殖期の眼先は青緑色、冬期には黄色である。水田、沼沢、湖沼、アシ原、海岸の浅瀬、干潟、河川等を採餌地とし、単独、あるいは、数羽から十数羽の群れで餌をあさる。概して海岸近くや平地の水辺に多い。両脚を交互に出して水中を歩渉したり、川岸等にたたずんだりして餌を狙う。餌は魚類(フナ、ハゼ、ドジョウ)の他、両生類(カエル)、甲殻類(アメリカザリガニ)、昆虫類も捕食する。飛翔は緩慢で直線的であり、飛翔時には首を縮め、足を尾端から長く出している。平地の竹薮や雑木林に集団で繁殖し、ゴイサギやチュウサギに混じって営巣する場合が多い。繁殖地には4月中旬頃飛来し、渡来した3〜4日後に営巣にとりかかる。竹の枝上や、マツ、ヤシ等の枝に、樹の枝を主材として皿型の巣を作り、同じ樹上にいくつも隣り合って営巣する。産卵期間は4月下旬から8月上旬頃までで、1巣の卵数は3〜5個である。雛は抱卵後23日位で孵化し、その後25〜30日で巣立する。

 本州、四国、九州、対馬で繁殖し、冬期一部は南部地方へ漂行し、一部は留鳥としてとどまる。その他、北海道、屋久島、伊豆諸島(大島、神津島、三宅島、八丈島、鳥島)、小笠原群島(父島)、硫黄列島(北硫黄島、硫黄島)、沖縄本島、南部琉球(宮古、石垣、西表、小浜、与那国島)に分布する。

 今回の調査では、本州、四国、九州で繁殖が確認された。日本で繁殖するサギ類の中では、ゴイサギと共に繁殖域は最も広かった。関東平野、濃尾平野、瀬戸内海沿岸部を中心に、各地の海岸に近い平野部に繁殖例が多いが他のシラサギ類と比べると山地でも生息、繁殖の記録が多く、山間部にもコロニーがある。本州北部と北海道では繁殖記録がなかった。なお、現在まで繁殖地の北限は宮城県の桃生郡河北町である。コサギは混生してコロニーを形成するサギ類(ゴイサギ、チュウサギ、ダイサギ、コサギ、アマサギ)中では、ゴイサギとともに優占種であり、繁殖域も広いので、数量的には今のところかなり多数が繁殖しているものと思われる。繁殖の確認に至らない記録(B・Cランク)も各地で出ているが、サギ類は活動範囲がかなり広い上に、夏期に非繁殖個体が群れを成す場合もあり、生息をそのまま繁殖の可能性に結びつけることはできないが、今後の調査で新しい繁殖地が把握されることを多いに期待したい。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

90

16

232

338

構 成 比(%)

26.6

4.7

68.7

100.0

 

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