048 リュウキュウヨシゴイ

 全長400mm。♂は頭上、後頸、背面が赤味のある栗褐色、下面は黄褐色で、喉から胸にかけて一条の褐色縦斑と、胸にはV字型の褐色斑がある。♀では上面がさらに暗色の栗褐色である。薩南諸島以南に留鳥として周年生息し、水田、ヨシの草原、湿地の草原や、湖畔、河畔等にある草原に生息する。単独、または♂♀で生活し、湿潤な草原の丈の高い草中にひそむことが多く、見通しのよいところに出てくることは少い。草間の地上、水中を歩渉して、主として魚類を捕食する。夕方から暁にかけてよく活動し、繁殖期には主として夜間にオーオーオーとうめくように鳴く。飛翔は首を縮めて翼をかなり早くはばたいて飛ぶが、ばたばたした感じがある。飛翔中翼上面は一様に淡赤褐色に見える。ヨシの草原に営巣するのが普通で、ときには水辺の樹木や草にも営巣する。巣は通常ヨシの茎間の地上、あるいは水面から0.3〜1.5mくらいの高さの茎の上にあり、生えたままの葉や茎をたばねて粗雑な皿型の巣を作る。産卵期は5月下旬から8月頃までで、1巣の卵数は5〜6個である。

 分布は種子島、硫黄列島、南鳥島、北部琉球(奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島)、中部琉球(沖縄本島、屋我地島)、南部琉球(宮古島、伊良部島、石垣島、西表島、与那国島)、大東群島(北大東島、南大東島)。今回の調査で繁殖が確認されたのは沖縄県先島諸島で一例のみであるが琉球列島各地でBランク、Cランクが確認されているので今後の調査に期待したい。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

1

3

2

6

構 成 比(%)

16.7

50.0

33.3

100.0

 

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