040 ウ  ミ  ウ

 全長840m。全身黒色で幾分緑色光沢がある。顔は黄色で、その外側は白色である。成鳥では頭部に白羽が混じり、繁殖期には腰の両側に白斑を有する等、外形はカワウに酷似するが生息環境は異り、岩礁の多い荒海や大洋に面する岩壁の多い海岸に生息し、島嶼、海岸の岩壁や岩礁で集団繁殖する。長良川で鵜飼いに使われるのはこの種類である。海岸の岩礁等、一定の場所に小群で休息している姿がよく見られる。よく泳ぎ、巧みに潜水しては魚類を捕食する。水上では体を深く沈めているため、首だけが突き出しているように見える。時には4、5羽が岩上で同一方向を向き、両翼を広げて静止している。飛び立つ時には海面を長く滑走してから舞い上がり、低空を直線的に飛ぶ。カワウのように高空を飛ぶことは稀である。繁殖地では、ヒメウ、ウミガラス、オオセグロカモメ等と混生して営巣することもあり、岩礁上や岩壁の棚の上に枯れ草や海藻等を利用して皿型の巣を作る。産卵期は5〜7月で、1巣の卵数は4〜5個である。

 本種は、我が国ではいくつかの集団繁殖地が知られ、冬期は北海道から本州、四国、九州の海岸や伊豆諸島で越冬し、その他、対馬、佐渡、隠岐、種子島、小笠原群島、北部琉球(奄美大島)、中部琉球(沖縄本島)、南部琉球(黒島、与那国島)でも記録されている。

 今回の調査では、北海道落石岬や霧多布、石川県七ツ島、大島、福岡県沖島等で繁殖が確認され、繁殖の可能性のある場所も何か所か記録された。また、ウミウは本州北部以南には冬鳥として渡来するのみと言われていたが、今回の調査では、石川、兵庫各県の日本海沿岸地域で繁殖が確認され、若狭湾、鳥取県、和歌山県でも夏期の生息が認められているところから、今後の調査に多いに期待するところである。

 その他の繁殖地としては、北海道ユルリ島、モユルリ島、大黒島、天売島があり、同松前小島でも未確認ながら繁殖の記録がある(環境庁 1973)。青森県陸奥湾口双子島、立石、弁天島(いずれも1927年)、岩手県宮古湾(1963年)でも繁殖の記録がある(清棲幸保 1952)。越冬地としては神奈川県城ケ島海岸等が有名で、山口県豊浦郡壁島は群生地として天然記念物に指定されている。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

6

6

16

28

構 成 比(%)

21.4

21.4

57.2

100.0

 

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