030 クロコシジロウミツバメ

 全長190mm。体全体が黒褐色で、嘴、脚も黒色である。翼上面に淡色斑があり、腰は白色で目立つ。昼間は外洋に生息し、海面近くを真すぐ飛んでは、横にくずれるような不安定な飛び方で飛翔する。時には陸地から650kmくらい離れた外洋を飛翔し、船のあとを追翔することもある。食性は動物質で、魚類および甲殻類などを好んで餌とする。大洋に面した島嶼に集団で繁殖する。繁殖地では土中に穴を掘って巣とするが、巣は土質の硬軟や草木の根の張り方で深さが異り、30cm〜1m位である。最奥部に産座があり、枯れ葉を敷く。産卵期は7月から8月までで、1巣の卵数は1個である。♂♀交代で抱卵し、雛は抱卵後30日程で孵化する。繁殖期の親鳥は海上から日没後に帰来し、翌朝の2〜3時頃に再び外洋に出てゆく。歩行は苦手で地上では這うようにして歩く。繁殖地では夜間に鳴き合い、夜がふけるにつれてその声がやかましい。

 我が国には夏鳥として本州沿岸に飛来し、繁殖地としては岩手県三貫島、日出島が知られており、天然記念物に指定されている。今回の調査では、岩手県宮古市の小島で繁殖が確認されたが、今後の調査によって新たな繁殖地が明らかにされることが期待される。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

1

0

0

1

構 成 比(%)

100.0

0.0

0.0

100.0

 

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