調査および集計の結果

1.調査結果の点検

 1978年度の主要な調査結果は繁殖状況票に集約されるため、同票の点検には特に注意が払われた。代表調査員および日本野鳥の会事務局が点検に当ったが、少しでも疑いの持たれる結果には、現地調査票や資料調査票にさかのぼり、場合によっては記録用紙をも点検した。極めて注目される結果に関しては、さらに代表調査員や該当調査員自身に直接連絡をとって協議したことも、少なくなかった。最終判断を下した事務局では厳しい判定基準を採用し、将来の調査で分布図の内容精度をあげ、今回は基礎を固めることに重点をおくこととしたため、常に最も確実な記録を優先させた。

 囀りの判定について

 調査員の下した判断で最も問題となったのは、観察事項のうちの囀りについてであった。ある種が営巣しうる環境てその種の囀りを聞いた場合は、観察コード60となり、繁殖の可能性あり(Bランク)の上位に記録されるが、同じ囀りを別の調査員が囀りと認めない場合には、ランクは一段階下って、繁殖については何ともいえない(Cランク)と記録されるという問題である。同様の観察事項に対する判定結果が調査者によって異なるのを避けるため、囀りに関しては、囀りとみなさない種類を事務局で決めて、それに該当する種がB−60と報告されているものは一率にCランクへ格下げして、結果の統一をはかった。B−60からCへ統一された種類は次の通りである。

 ウ類、ヨシゴイ・ミゾゴイを除くサギ類、カモ・アイサ類、サシバを除くワシ・タカ類、バン、オオバン、シロチドリ、アマツバメ類、ヤマセミ、カワセミ、ブッポウソウ、ショウドウツバメ、イワツバメ、サンンョウクイ、ヒヨドリ、モズ類、エナガ、スズメ、ムクドリ、カラス類。

 これらの種類の「囀り」には、繁殖行動と直接に結びついてBランクと判定されるものも当然含まれるが、前述の理由で格下げしたために分布地図上Cランクの割合が多い結果となっている。

2.今回の調査で認められた鳥類

 本報告書の繁殖分布地図は、1974年から1978年までの資料調査と1978年の現地調査の結果のみから作成された。調査対象となった外来種13種を含む257種の日本で従来繁殖している又は繁殖が可能と考えられる鳥類の内、今回の調査結果は表4に要約される通りである。つまり、A、BあるいはCランクとして全国で1度でも記録された種類は合計で205種を数え、これは調査対象種類総数の798%にあたる。各種毎に繁殖ランクの最も高いものを代表させ、ランク別に全国の種類数をみると、繁殖を確認したもの(Aランク)188種、繁殖の確認は出来なかったが、その可能性があるもの(Bランク)11種、生息を確認したが、繁殖については何ともいえないもの(Cランク)6種となっている。A、BまたはCランクで記録された種類数の91.7%(調査対象種類総数の732%)が全国のいずれかのサブメッシュで確実に繁殖が認められた結果となった。

 一方、Dランク以下で記録された種類数は合計52種にのぼり、このうち、生息を確認したが繁殖の可能性はおそらくないもの(Dランク)は27種、まったく生息の確認出来なかったもの(EおよびFランク)は25種で、調査対象種総数のそれぞれ105%と9.7%にあたっている。Dランクとして記録された種類には、カツオドリ、サンカノゴイ、オオタカ、イヌワシ、タンチョウ、ウミガラス、フクロウ、クマゲラなどが含まれている。これらは、調査されなかったメッシュで繁殖している、又はその可能性が強いと思われるが、本調査では繁殖の記録が得られなかった種類である。Eランクにはシロハラミズナギドリ、カンムリワシ、ツルクイナ、ウトウ、シマフクロウ、ミユビゲラなどがあげられ、生息区域が限られていたり、生息個体数が少ない為、今回実際に記録されなかった種類であるが、現地調査を担当した調査員の経験的主観的判断に基づいて、繁殖期にその生息が考えられると推測されたものである。従って、調査結果というよりは次回の調査で繁殖情報を得る際の努力目標として位置づけられるべき性質のものとみなすことが出来よう。Fランクには、A〜Eランクに該当しない種類が含まれ、この中にはトキのように繁殖状況は周知の事実でありながら、今回の調査で報告がまったくなかった種類や、アホウドリ、アカコッコ、イイジマムシクイ、メグロのような、特定の地域での繁殖が今迄にすでに確認されていながら、今回調査されなかった為にまったく記録の得られなかった種類である。以上、D〜Fランクとして記録された52種については、繁殖に関しての肯定的な資料が今回の調査結果からは記録されなかった。従って、本文中の繁殖分布地図及び解説は省かれている。この事実をもって、D〜Fランクの総ての種類が直ちに稀少種であるとか、絶滅の危機に頻しているということを意味していない点に留意されたい。

3.調査対象鳥種一覧表以外に記録された種類

 A〜Cランクで記録の得られた上記205種以外で繁殖状況票に記録の載った種類は、セグロカッコウとアメリカオシドリである。前者は1977年5月6日、鳥取県気高郡鹿野町広木地内で囀っていたのを録音で確かめられた(蒲谷 1978)もので、調査者はこの囀りをもって観察コード60、繁殖ランクBと判定した。後者は1977年5月13日、豊中市羽鷹上池でヒナ5羽連れの親2羽を観察した個人記録にもとづくもので、調査者は観察コード50、繁殖ランクAと判定して報告している。両種とも従来日本からの記録そのものがなく、セグロカッコウに関しては、1羽の囀りの極く稀な記録をそのまま日本での繁殖の可能性に結びつけることは、議論の分れることと思われる。アメリカオシドリについては、野生のものが原産地アメリカから渡来して繁殖したとは考え難く、「かご抜け」とみなす方が妥当であろう。しかし、他の外来種の繁殖行動とともに、今後も注意深い継続調査が必要であることは言うまてもない。

 さらに、Cランクではあるが、クサシギ(1978年5月21日、愛知県豊橋市、2羽)とケアシノスリ(1978年5月27日、北海道檜山支庁檜山郡、1羽)がそれぞれ1回記録された。一般に、前者は旅鳥又は冬鳥として、後者は冬鳥として渡来するが、日本での繁殖記録はない。1978年の現地調査の際に観察された他の旅鳥や冬鳥は、調査者の判断によってDランクで繁殖状況票に記載されたものや、当然繁殖の可能性はない種類とはじめから判定されて現地調査票に記載されたに留ったものもある。これらの種類の取扱いに関しては、調査要綱に明確に記されていない為、記録の不統一はまぬがれなかったが、クサシギやケアシノスリも或いはこうした非繁殖鳥の扱いをすべきかと思われ、繁殖分布地図からは今回除外されている。

4.調査サブメッシュ数

 現地調査および資料調査の行なわれたサブメッシュ数の県別総数は、表5に示されている。このうち、現地調査の行なわれたサブメッシュ総数は、全国で2,225カ所である。実施要綱では2万5千分の1図内に4つあるサブメッシュの内の1カ所に調査コースを設置して調査することになっているが、1カ所以上調査したメッシュも多く、千葉県内では4サブメッシュ全部を調査している例もみられた。その状況は一括して現地調査サブメッシュ分布図として図4に示されている。

5.調査地点標高分布表

 各調査コースの標高に関し、最高調査地点、最低調査地点および平均調査地点の高さを求めることにより、調査地点の標高分布を集計し、検討した。標高区分は、20m以下、21〜100m、101〜500m、501m〜1,000m、1,001〜1,500m、1,501〜2,000m、2,001〜2,500m、2,501m以上の8区分である。平均調査地点の標高を調査コースの代表値として、地方別に調査地点の標高分布について述べる(表6)

 北海道地方では、標高20m以下から2,000mの区間に調査地点が分布しており、101mから500mの間での頻度が44%と最も高く、21mから500mの区間を合計すると75%になり大部分を占めている。北海道では標高1,000mを越える地域が少ないこともあり、大部分の調査地点が比較的低い地域に分布していると言えよう。

 東北地方では、調査地点が標高20m以下から2,000mの区間に分布しており、101mから500mの区間が51%で最も頻度が高くなっている。また、21mから1,000mの間に全体の88%の調査地点が分布している。東北地方では1,500mを越える山地は少なく、低地から山地にかけて標高500mを中心に調査地点が分布していると言えよう。

 関東地方では、20m以下から2,500mまでの区間にわたって幅広く調査地点が分布しているが、20m以下の調査地点が35%で最も多くなっている。また、500m以下の調査地点だけで全体の79%を占めており、大部分の調査地点が標高の低い関東平野から低山帯にかけて分布していることがわかる。

 北陸地方では、20m以下から2,501m以上の区間にわたって幅広く調査地点が分布している。最も頻度が高いのは101mから500mの区間で全体の40%を占めている。一方、1,001m以上の調査地点も全部で11%を占めており、低地から高山まで調査地点が広がっている。

 中部地方では、20m以下から2,501m以上の区間に調査地点が分布している。最も頻度が高いのは501mから1,000mの区間で30%であった。1,001m以上の地域も24%を占めており、全体として比較的標高の高い地域に調査地点が分布している。

 近畿地方では、20m以下から2,000mまでの区間に調査地点が分布し、101mから500mの区画が51%と最も頻度が高くなっている。また、21mから1,000mまでの区間を合計すると86%になり、標高500mを中心にして低地から山地にかけて調査地点が分布している。

 中国地方では、20m以下から1,500mまでの区間に調査地点が分布しており、101mから500mまでの区間が51%で最高頻度になっている。1,000m以上の山地が少ない中国地方では、101mから500mの地域を中心として低地から山地にかけて調査地点が分布している。

 四国地方では、20m以下から2,000mまでの区間に調査地点が分布し、101mから500mの区間で41%と頻度が高い。また、1,000m以上の調査地点が17%を占めており、低地から高山にかけて広く調査地点が分布している。

 九州地方では、20m以下から2,000mまでの区間に調査地点が分布しておク、101mから500mの間で42%と最も頻度が高い。また、21mから1,000mまでの区間の調査地点は合計80%である。

 以上、地方別に平均調査地点の標高分布をみてきたが、全国を合計すると、20m以下の区画が14%、21〜100mが20%、101〜500mが41%、501〜1,000mが17%、1,001〜1,500mが5%、1,501〜2,000mが2%、2,001〜2,500mが1%、2,501m以上が0.3%という結果になっている。

6.環境要素比率分布表

 調査コースの環境は、次の8つの環境要素に分類されている。各要素の詳細については、調査要綱(資料4)を参照されたい。

        A、林  地           E、水  域

        B、耕  地           F、裸  地

        C、草  地           G、水系裸地

        D、湿地植生           H、その他

 ここでは、環境調査票の記録事項のうち上記の環境要素のうちで主要なものが、調査コースのなかにどのような比率で含まれているかを、地方別、県別に検討してみる(資料3−1)。

 北海道では、林地の占める比率が55.8%と最も高く、次いで草地が20.1%、耕地が10.0%、水域が6.1%、湿地植生が3.6%の順である。他の地方の比率と比較すると、北海道では草地の比率が大変高いこと、また、湿地植生の比率が比較的高いことが大きな特徴となっている。

 東北地方では、林地が63.2%、耕地が12.9%、草地が9.1%、水域が6.9%の順になっており、林地の比率が高いのが特徴である。県別にみると、岩手県、秋田県、山形県、福島県では、林地の占める比率が高く、林地の比率が比較的低い青森県、宮城県では、他県より耕地、草地の比率が高くなっている。また、青森県、秋田県では水域の比率が高い。

 関東地方では、林地の比率が43.1%、耕地が21.5%、その他が10.6%、草地が8.5%、水域が8.1%である。林地の比率が他の地方より明らかに低く、その他の比率がかなり高いのが特徴である。県別にみると、茨城県、千葉県では、林地の比率が他県より低く、耕地の比率が高いのが特徴となっている。また、神奈川県では水域の比率が比較的高く、東京都、埼玉県ではその他の比率が、栃木県、群馬県では、林地の比率が高いのが目立つ。

 北陸地方では、林地が62.7%、耕地が12.2%、草地が8.2%、水域が7.2%であり、林地の比率が高いのが特徴となっている。県別では、富山県、福井県で林地の比率が比較的高く、新潟県、石川県では耕地や草地の比率が他県よりやや高くなっている。なお、富山県では、裸地の比率が高いのが目立っている。

 中部地方では、林地が59.3%、耕地が15.1%、草地が8.1%、水域が7.2%という比率である。県別では山梨県、長野県、岐阜県では林地の比率が他県より高いが、愛知県、三重県では耕地の比率が他県より高いとともに水域の比率が高いのが目立つ。

 近畿地方では、林地が59.1%、耕地が13.2%、草地が9.4%、水域が9.3%の順になっている。草地と水域の比率が高いのが特徴である。県別にみると、滋賀県、京都府、奈良県では林地の比率が高く、大阪府では、草地の比率の高いのが目立っている。また、和歌山県では水域の比率がかなり高く、兵庫県では耕地の比率が比較的高い。

 中国地方では、林地が65.5%、耕地が15.3%、草地が6.5%、水域が4.7%であり、林地の比率が高く、耕地の比率も比較的高い。鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県ともに、林地と耕地との比率が高いことが共通して認められるが、広島県では水域が、山口県ではその他が他県より比較的高い。

 四国地方では、林地が64.8%、耕地が9.6%、水域が8.5%、草地が8.1%の比率となっており、水域の比率が比較的高いのが特徴となっている。県別では、徳島県、愛媛県、香川県では、林地と耕地の比率が比較的高いが、高知県では、草地や水域の比率が高いのが目立っている。

 九州地方では、林地が56.9%、耕地が16.9%、草地が9.1%、水域が5.6%、裸地が3.4%の比率であった。耕地と裸地の比率が他の地方より幾分高いのが特徴である。県別にみると宮崎県、大分県では林地の比率が他県より高く、佐賀県、沖縄県、長崎県、鹿児島県では、耕地の比率が比較的高くなっている。また、熊本県では水域の比率が他県より幾分高く、沖縄県では裸地の比率が高いのが目立っている。

 以上、地方別、県別にみてきたが、全国の集計を行なってみると、調査コースの環境要素の比率は、林地が58.0%、耕地が14.2%、草地が10.5%、水域が6.9%、その他が4.3%、湿地植生が2.4%、裸地が1.9%、水系裸地が1.8%となっている。

7.鳥種別観察コード頻度表

 鳥種別観察コード頻度表とは、各鳥種のA、Bランクの観察コードが記録されたメッシュの数と、その割合を表にしたものである。表7に代表的なものが例示されている(ランクおよび観察コードの内容は、表2参照)。この表を分析することによって各鳥種の観察コードと繁殖生態についてのおおよその関連を読みとることができよう。以下に種類別、生態別に、その関連傾向について述べる。

 カイツブリ類、カモ類、アジサシ類などの水辺に棲む鳥種は一般に姿を見やすく、巣もみつけやすいところにつくるため、A−10(Aランクの観察コード10の意味、以下同様)、A−11、B−64、などの割合が高くなっている。また、巣立ち後のヒナも見通しのきく水上を泳いだクするために観察しやすく、A−50、B−80、B−81などの観察コードも多い。したがって、山野に棲む鳥種との大きな相違点として、BランクよりもAランクの観察メッシュ数の方が多いことがあげられる。これは繁殖の事実を直接確認する機会が多いことを示している。代表的な鳥種について個別に分析してみると次のようである。カイツブリは、Aランクでは、A−50が37.5%、次いでA−11の23.3%、A−10の13.9%となっており、水禽類の一般的な傾向をみせている。また、BランクではB−60の53.9%、B−81の17.6%、B−80の12.1%の順である。B−80、B−81が多いのは上記に述べた通りであるが、B−60の割合が高くなっているのは水禽類のなかでは珍しいものである。明らかなさえずりをもつものが多い山野の鳥ではB−60の割合は高いが、この点については後に再び触れる。カイツブリではAランクが観察されたメッシュの数は339、一方Bランクは165で、AランクはBランクのほぼ倍になっている。これも水禽類の一般的な傾向である。一方、オオミズナギドリ、カワウなどのように繁殖地が限定されている種は、繁殖地に行くことによりほぼ確実に繁殖が確認できるため、Bランクはほとんどみられなかった。AランクのなかではA−11の割合が飛び抜けて高くなっている。シギ・チドリ類では地上にある巣がみつけやすく、しかも観察者が巣のきわめて近くまで寄れるため、A−30、B−63などの割合が高い。同様の傾向はアジサシ類にもみられる。また、A−30の割合はオオセグロカモメ、ウミネコなどでも比較的高く、これらではA−40、B−64などの割合も高い。しかし、B−63はみられなかった。これは崖などにつくられた巣を遠くから観察することはできても、巣の近くには寄れないためであろう。

 次にワシタカ類であるが、これらの種類は繁殖の確認が難しく、全体を通しての顕著な傾向はつかみにくい。比較的割合の高いのはA−10、A−14、A−20、B−63、B−67などである。一般に巣に関連した繁殖の確認が多い。ノスリを例にとると、Aランクでは、A−40が28.6%、A−10および20が21.4%、A−11および14が14.3%であった。観察されたメッシュ数が少ないこともあって以上で100%である。BランクではB−63が30.2%、B−67が18.9%、B−61が15.1%となっている。この数字は繁殖行動を観察する機会が多いことを示しているが、あくまでノスリに限った傾向であり、ワシタカ類に共通の傾向と言うことはできない。何故なら観察例があまりに少ないからである。

 ワシタカ類を除く、いわゆる山野の鳥の最も大きな特色はさえずりの記録すなわちB−60の割合が非常に高いことである。また、Aランクの観察されたメッシュの数よりもBランクの観察されたメッシュの数の方が多い。例外となるのはツバメ、スズメなど少数の種に限られ、一般には、Aランクの数はBランクの1割以下であった。特殊な例ではあるが、托卵をするツツドリなどではAランクのメッシュ数はBランクのそれの100分の1に満たなかった。このことは、個体数は少なくないものの営巣場所を発見するのが容易でないことを示している。B−60の割合が高いものの代表としてウグイスを例にとってみよう。ウグイスのB−60の割合はBランクのなかで96.5%、AからEまでのランクが記録されたメッシュのなかでもB−60は実に75.6%のメッシュで記録されている。これは姿は見にくいものの、さえずりは明らかであることによるものである。一般にウグイスやホオジロなどの特徴のあるさえずりをもつ種はB−60の割合が高く、AからEランクまでの観察メッシュの合計のなかでもその割合は非常に高い。これらの種類のAランクでは、A−10、A−14、A−30、A−50などの観察コードの割合が比較的高いが、種によるばらつきが大きく一般的な傾向を見出すことはできなかった。BランクよりAランクの観察例が多いツバメではA−10、A−11、A−40の割合が高くなっている。人家の周囲などの人目につきやすいところに営巣するためであろう。ツバメは、最も繁殖を確認しやすい種の一つである。

 以上、いくつかの鳥種の繁殖生態と観察コードの関連についてみてきたが、今後、さらにデータを収積し、分析を深めることによって、より良い成果が期待される。

 

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