ヤエヤマニイニイ / Platypleura yayeyamana

[分布と生態] 南西諸島の八重山諸島に分布し、5月から9月に発生する中型のセミ。平地から山地に見られ、スダジイなどの広葉樹やリュウキュウマツなどの林に生息します。
[今回の調査結果] 石垣島から1個のぬけがらが寄せられました。このセミについても、今後、詳細な分布を調べる必要があります。


ミヤコニイニイ / Platypleura miyakona

[分布と生態] 南西諸島の宮古島に分布し、5月から6月に発生する中型のセミ。宮古島ではおもに中・南部に局地的に見られ、数も多くありません。これは、島内に森林自体が少ないことや局地的であることによります。イスノキやリュウキュウマツの林に生息し、ぬけがらは地上1m以下の低いところにつきます。
[今回の調査結果] 2個のぬけがらが寄せられました。限られた分布域、局地的な分布をする種類だけに収集できたことは大きな成果です。


クロイワニイニイ / Platypleura kuroiwae

[分布と生態] 奄美大島、沖縄諸島などの南西諸島に分布し、4月から8月に発生する小型のセミ。平地から山間部にかけて、ホルトノキ、トベラなどの広葉樹林やリュウキュウマツの林などで普通に見られます。また、サトウキビ畑などイネ科の草に多数生息し、産卵することも確認されています。しかし、こうした草で幼虫が育っているかはわかっていません。
[今回の調査結果] 4個のぬけがらが寄せられましたが、普通に見られるセミという割には収集が少なかったように感じます。これは公園や人家の庭など、収集しやすい環境で発生が見られないことによるものか、その原因について発生地の詳しい情報を得る必要があります。


ヤクシマエゾゼミ / Tibicen esakii

[分布と生態] 九州の尾久島に分布し、夏頃に発生する中型のセミ。1,000m前後の山地に見られ、スギ林に好んで生息します。ぬけがらは、おもにスギの幹の地上50cmから8mの位置で見つかります。
[今回の調査結果] 1個のぬけがらが寄せられました。もともと情報が少ないセミだけに貴重なものです。今後、形態や分布、生態など、調べる課題が多い種です。


ヤエヤマクマゼミ / Cryptotympana yaeyamana

[分布と生態] 八重山諸島に分布し、6月から9月に発生する大型のセミ。山地に見られ、カラスザンショウなどの広葉樹林に生息しています。
[今回の調査結果] 石垣島から1個のぬけがらが寄せられました。このセミも、今後、形態や分布、生態など、調べる課題が多い種類です。


リュウキュウアブラゼミ / Graptopsaltria bimaculata

[分布と生態] 奄美大島、沖縄諸島などの南西諸島に分布し、6月から11月に発生する大型のセミ。アブラゼミにきわめて似ていますが、成虫での区別は可能です。一方、ぬけがらはよく似ていて色や形では差異がなく、収集した地域によって区別するほかありません。平地から山地に普通に見られ、いろいろな林に生息しますが、とにかくガジュマル、スダジイなどに多く見られます。
[今回の調査結果] 27個のぬけがらが寄せられました。このデータでは、沖縄本島近辺にしか記録がありませんが、実際にはもっと広域に分布していると思われます。きめ細かな収集を行い、分布の詳細をつかむ必要があります。


タイワンヒグラシ / Pomponia linearis

[分布と生態] 八重山諸島に分布し、6月から10月に発生する中型のセミ。日本の産地は本種の北限にあたるものです。低地から山地にかけての、スダジイ、カシ類などの広葉樹からなる暗い林に生息しています。数はあまり多くありません。
[今回の調査結果] 西表島から1個のぬけがらが寄せられました。深い森に住むセミなので、ぬけがらの収集も容易ではありません。たった1つのぬけがらですが、その価値はとても高いものです。



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