オナモミ / Xanthium strumarium

[分布と生態」 日本全国に分布。低地の道ばたに見られるキク科の一年草。農耕文化とともに大陸から入り込んだと考えられています。
[今回の調査結果] 北海道、青森県、宮城県、福島県、茨城県、山梨県、長崎県、鹿児島県の各道県から9メッシュ、14箇所の報告があり、全国的な減少が確認されました。以前は全国で普通に見られると言われてきましたが、最近行われている県単位の詳しい調査によると、神奈川県、徳島県、広島県などでは稀な種であることがわかりました。今回の調査では全国的にきわめて少ないことを推測させる結果となりました。


オオオナモミ / Xanthium occidentale

[分布と生態」 日本全国に分布を広げている。北アメリカ原産の帰化植物で、道ばたや造成地に見られるキク科の一年草。最近は都市とその周辺で数多く見られます。
[今回の調査結果] 754メッシュから3,084個が報告されました。青森県から鹿児島県徳之島まで報告され、これらの地域ではもっとも普通に見られるオナモミの仲間ですが、北海道では未記録です。オオオナモミは岡山で1929年に発見されて以来、約70年になります。今回の調査によってオオオナモミはオナモミの仲間では関東から九州でもっとも普通に見られている種になっていることがわかりました。しかし、東北地方ではいまだ分布地が点在し、少ないようです。


イガオナモミ / Xanthium italicum

[分布と生態」 本州、四国、九州に分布。海岸や造成地などに生えるキク科の一年草。1945年以降、本州と九州北部に帰化したと推測されています。東京では1958年に初めて記録されました。原産地は不明です。
[今回の調査結果] 131メッシュから287個が報告されました。北海道では採集されず、青森県から鹿児島県まで点々と見つかりました。とくに大都市と海岸部で見つかっています。一方で岩手県、群馬県、福島県の内陸部、中国、四国、九州ではほとんど見られませんでした。オナモミの仲間には、このほか1934年に大阪で初めて記録された帰化植物のトゲオナモミがあります。今回の調査ではこの種はまったく採集されなかったので、オオオナモミやイガオナモミほど広がっていないようです。


タウコギ / Bidens tripartia

[分布と生態」 日本全国に分布。水田の畦や湿地に見られるキク科の一年草。
[今回の調査結果] 北海道から長崎県五島列島までの125メッシュから211個が報告され、関東平野から比較的多く採集されました。昔は水田雑草としてどこにでも見られたようですが、アメリカセンダングサとの競合や除草剤などの影響で生育場所がいちじるしく減少していると推定されていました。今回の調査はそれを裏付ける結果となりました。


アメリカセンダングサ / Bidens frondosa

[分布と生態」 本州から九州に広く分布。北アメリカ原産の帰化植物で、水田の畦や湿った造成地などに見られるキク科の一年草です。セイタカタウコギとも呼ばれます。
[今回の調査結果] 北海道から鹿児島県までの1,086メッシュから3,846個が報告されました。最近まで北海道では見られなかったものですが、今回の調査で北海道でも広く分布し、分布域が北へ拡大していることがわかりました。扁平な果実を持つセンダングサの仲間には北海道にエゾノタウコギ、青森県以北にヤナギタウコギがあります。前者は果実が小さく長さ5mm以下であること、後者は果実に4つのトゲがあることで区別できます。


センダングサ / Bidens biternata

[分布と生態」 福島県・新潟県以南、九州、沖縄まで分布。水田の畦などに見られるキク科の一年草。
[今回の調査結果] 福島県南部から鹿児島県種子島までの208メッシュから364個が報告されました。中国・東南アジアからオーストラリア、アフリカにまで分布する種で、日本にはかなり昔に帰化したと推測されます。



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