コセンダングサ / Bidens pilosa

[分布と生態」 宮城県・山形県以南、九州、沖縄に分布。道ばたや山野に生えるキク科の一年草で、戦前から知られている帰化植物。
[今回の調査結果] 北海道、岩手県から沖縄県先島諸島、小笠原諸島の父島までの833メッシュから6,042個が報告されました。本州では分布に偏りがあり、太平洋側に多く日本海側にはほとんど見られないという、興味深い分布をしていることがわかりました。分布域が、今まで知られていたよりも北に広がっていることもわかりました。分布地ではきわめて密度が高く、1メッシュあたり平均7.3個が採集されています。舌状花のあるコシロノセンダングサ・シロノセンダングサ(タチアワユキセンダングサ)は本種の変種ですが、これらを果実だけでは区別できないので、この調査はコセンダングサを広くとらえ、変種のコシロノセンダングサやシロノセンダングサを含んでいます。


コバノセンダングサ / Bidens bipinnata

[分布と生態」 本州から九州に分布。道ばたや原野に生えるキク科の一年草。
[今回の調査結果] 宮城県から長崎県までの35メッシュから38個が報告されました。採集地点はまばらで、たいへん少ないものでした。コバノセンダングサはとても広い分布域を持ち、ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアなどでも見られていますが、日本では稀な帰化植物といえます。


ヒナタイノコズチ / Achyranthes bidentata var. tomentosa

[分布と生態」 本州から九州に分布。道ばたや林の緑など日当たりのよい場所に生えるヒユ科の多年草で、市街地でもよく見られます。
[今回の調査結果] 北海道から九州までの1,031メッシュから5,175個が報告されました。今回調査された在来種のひっつきむしではもっとも広く見られ、調査された1,598メッシュのうち約65%で見つかったことになります。1次メッシュあたりの報告数も平均5個と多く、分布域が広く、密度も高いことから、今回調査した18種の中でもっとも身近なひっつきむしの一つとなりました。分布域が今まで知られていたよりも北に広がっていることも確認できました。


ヒカゲイノコズチ / Achyranthes bidentata var. bidentata

[分布と生態」 本州から九州の低地に分布。木陰や竹やぶなどに生えるヒユ科の多年草。
[今回の調査結果] 青森県から鹿児島県までの645メッシュから1,521個が報告されました。沖縄にはモンパイノコズチ、ケイノコズチが分布していますが、今回の調査で沖縄県からイノコズチの仲間の報告はなく、分布の様子はわかりませんでした。


ヤナギイノコズチ / Achyranthes longifolia

[分布と生態」 関東地方・新潟県から九州に分布。木陰に生えるヒユ科の多年草。
[今回の調査結果] 福井県、岐阜県、鹿児島県から1メッシュずつ報告されました。もともと局地的に分布しているためか、あるいは他のイノコズチにまぎれて見過ごされたためか、きわめてわずかしか見つかりませんでした。


キンミズヒキ / Agrimonia pilosa var. japonica

[分布と生態」 北海道から九州に分布。照葉樹林から夏緑林まで広く見られ、木陰にも草地にも生えるバラ科の多年草。
[今回の調査結果] 北海道礼文島から鹿児島県種子島までの729メッシュから1,608個が報告されました。キンミズヒキの仲間ではもっとも普通に見られる種であることが確認されました。



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