函館市松倉川の
生態系の評価

自然の残された北海道の河川風景
評価対象 函館市松倉川の生態系の評価
区分 国内
場所 北海道
評価年 1996年
評価の実施者 栗山浩一
評価に至った
経緯

  • 北海道函館市を流れる松倉川は、市内では数少ない自然の残された河川であるが、ここに洪水防止と水供給を目的とした松倉ダムの建設が計画された。
  • 建設計画に対し、地元の環境保護団体が、ダムを開発する必要性が明確でないこと、環境に与える影響が極めて大きいと予想されることを理由に反対を表明し、行政と対立が生じていた。
  • ダムの必要性や環境への影響が明確でないままダム開発が進むことを懸念し、総合的な観点から本当にダム建設が必要かを検討するため、経済価値の評価が行われた。

評価手法 CVM
評価結果
  • 函館市と札幌市の街頭において、アンケート調査を実施した。(有効回答数 452人)
  • 松倉川の生態系を保全するために松倉ダム以外の方法で洪水や水不足を解決する政策に対する支払意思額を尋ねた。

■CVMにより推定されたWTP(1世帯当たり)

中央値:
8,756円/年
平均値:
13,016円/年

■ダム建設により失われる生態系価値の集計
   (下限は支払意思額の中央値、上限は平均値を用いた試算)

函館市民:
11~16億円/年
札幌市民:
62~93億円/年
北海道全体:
193~287億円/年
参考資料

栗山浩一著(1997)『公共事業と環境の価値―CVMガイドブック』築地書館
栗山浩一著(1998)『環境の価値と評価手法―CVMによる経済評価』北海道大学図書刊行会