水質浄化サービスへの対価

農場風景
評価対象 水質浄化サービスへの対価
区分 北アメリカ州
場所 アメリカ
評価年 1980年代~1990年代
評価の実施者 ニューヨーク市
評価に至った
経緯
  • アメリカのニューヨーク市では、水道水の水質が悪化し、連邦政府の規制により高価な水処理施設の建設を求められていたが、上流域に位置するキャットスキル山において、農場の管理技術を改善により、廃棄物や栄養分が近隣の水路に流出することを防止した土地所有者に対し、報酬を支払う制度を導入することにより水質改善を図ることとした。
評価手法 代替法
評価結果
  • 土地所有者に対する報酬と新たな水処理施設の建設にかかる費用を比較すると以下のとおりであった。
土地所有者への10年間の支払い総額:
10~15億USドル
新たな水処理施設にかかる費用:
 
   建設費:
60~80億USドル
   年間維持管理費:
3~5億USドル
成果の活用
  • ニューヨーク市は、土地所有者へ水質改善のための報酬を支払うことにより、新たな水処理施設を建設した場合には2倍に跳ね上がると考えられていた水道料金の増加を9%に抑えることができた。
参考資料

TEEB報告書和訳暫定版(2011年 公益財団法人地球環境戦略研究機関【IGES】)
TEEB統合報告書(MAINSTREAMING THE ECONOMICS OF NATURE: A SYNTHESIS OF THE APPROACH, CONCLUSIONS AND RECOMMENDATIONS OF TEEB)p.25
「価値ある自然 生態系と生物多様性の経済学:TEEBの紹介」