調査結果4

環境とひっつきむし

 記録された「歩いた場所」から、ひっつきむしのよく育つ環境を考えてみました。

 寄せられたひっつきむしの数が少ない場合(ここでは100個以下としました)は環境との相関がわかりませんので、1オナモミ、8コバノセンダングサ、11ヤナギイノコズチ、14チョウセンキンミズヒキはグラフでの表示はしてありません。

 それ以外の種をそれぞれ見ると、2オオオナモミは草地・裸地ばかりでなく、水辺(39%)、とくに川原に多い、3イガオナモミは草地から裸地が60%を占め、そのなかでは裸地のなかの造成地に多い、4タウコギは水辺(68%)、とくに水田の周辺に多い、5アメリカセンダングサは草地・裸地と水辺にやや多く、川原より水田に多い、6センダングサはセンダングサ類でもっとも森林の比率(30%)が高い、7コセンダングサは草地・裸地の比率が高く(55%)、そのなかでは裸地のなかの舗装道路の路傍に多い、9ヒナタイノコズチは4区分がほぼ同じ比率となり、様々な環境に生育している、10ヒカゲイノコズチと12キンミズヒキ、17ミズヒキは森林(54〜57%)と草地(20〜22%)に多く見られる、13ヒメキンミズヒキは森林が80%を占め、スギ・ヒノキ林には少ない、15ノブキと16ウマノミツバ、18ハエドクソウは森林が約80%を占めスギ・ヒノキ林にも比較的多い、ということがわかりました。

 以上の結果をグループ分けをして下にまとめました。植物と生育環境の相関はみなさんの持っている印象と一致するでしょうか。

A)森林性の植物:13、15、16、18、ただし13は雑木林に多く、他の3種はスギ・ヒノキ林にもやや多く見られる。

B)森林に50-60%で、草地にも多い(20%)植物:10、12、17

C)広範囲に生育する(あまり特定の環境を選ばない)植物:9

D)広範囲に生育し、やや水辺に多い植物:2、5

E)広範囲に生育し、センダングサ類でもっとも森林の比率が高い植物:6

F)広範囲に生育し、やや草地・裸地に多い植物:3、7

G)水田とその周辺に多い植物:4

 

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