調査結果 1

24 イワサキゼミ

【分布と生態】 石垣島や西表島などに分布し、7〜11月にかけて発生するセミ。おもに山間部に見られ、リュウキュウマツやいろいろな広葉樹の林に生息します。

【今回の調査結果】 2個のぬけがらが寄せられました。いずれも、従来から知られている分布域のものです。寄せられた個数から見れば、生息数も少ないように思われますが、西表島では最盛期の9月下旬にはオオバイヌビワなどに群生するといいます。時期を選んでふたたび収集してみてください。

 

25 ツマグロゼミ

【分布と生態】 宮古島以西の南西諸島に分布し、4〜7月に発生する中型のセミ。カラスザンショウやイスノキなどからなる林に生息します。ぬけがらは、地上1m以下についていることが多いようです。

【今回の調査結果】 宮古島と石垣島から1個ずつのぬけがらが寄せられました。屋敷林などの身近な林にも生息するので、意外な結果です。今後、詳細な調査が必要です。なお、従来の知見では宮古島以西ではどの島にも生息するという報告もありますが、与那国島に生息するかどうか疑問が残るといいます。この島で見つけたら知らせてください。

 

26 イワサキクサゼミ

【分布と生態】 沖縄本島以西の南西諸島に分布する日本最小のセミ。3〜7月に発生します。日本のセミは木で生活する種類がほとんどですが、この種類はサトウキビ、チガヤなどイネ科の草原などに生活する風変わりなセミです。

【今回の調査結果】 沖縄本島から9個のぬけがらが寄せられました。沖縄本島では南部の一地域に産地が限定されますが、報告のあった記録も従来から知られている分布域からのものでした。また、石垣島の大発生地からの記録を期待しましたが、報告はありませんでした。南西諸島では多いとされるセミですが、分布域の全域でサトウキビ畑を足がかりに大発生しているのか、島別の詳細な分布などを調べる必要があります。

 

 

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