20. 大阪府
(1) | 分布及び消滅状況の概要 |
1 | 現存藻場 |
大阪府沿岸域は北・中部(大阪市〜貝塚市)は人工護岸で覆われ、藻場は現存しない。現存する藻場は調査区1(貝塚市)、調査区7、8(阪南町)、調査区10〜14(岬町)にしか認められない。 | |
貝塚市、阪南町の藻場は底質が砂泥質でありオゴノリ、アナアオサが優占し、岬町の藻場では岩礁域に分布するシダモク、マクサ、ワカメ、カジメ等が優占する。 | |
前回調査以降の変化を見ると泉佐野市〜阪南町にかけての海岸が埋立工事により消失したため、この間に存在した藻場の消滅が認められたほか、阪南町〜岬町にかけての海岸に存在した藻場が一部埋立工事のため消滅した。しかし、現存する藻場では分布域、疎密度には変化は見られない。 | |
2 | 消滅藻場 |
消滅藻場の全ては人工的に海岸を改変したために消滅したものである。主要な消滅原因は埋立工事によるものであり、特に、泉佐野市〜阪南町にかけての埋立工事では海岸線の形状・構造が極端に改変されたため、かって存在していた藻類の分布はほとんど認められない。阪南町〜岬町にかけての埋立工事では人工的な砂浜の造成を主とする埋立であるため、かつて存在していた藻類の分布が一部では認められている。 |
現存・消滅藻場総括表
海 域 名 |
現 存 藻 場 | 消 滅 藻 場 | ||
調査区数 | 面 積(ha) | 調査区数 | 面 積(ha) | |
大 阪 湾 北 | 1 | 1 | 0 | 0 |
大 阪 湾 南 | 7 | 286 | 6 | 164 |
合 計 | 8 | 287 | 6 | 164 |
<調査実施方法>
今回の調査は前回の調査地点の藻場の分布状況、疎密度を確認するため1月に現地確認調査を実施し、船上あるいは陸からの藻場の確認を行った。
また、大阪府下の漁業組合・漁業関係者等からヒアリング調査を行った。さらに、既存資料調査として資料リストに記載する資料を参考資料として用いた。
資料リスト
資料名 | 著者名 | 発行年 |
第2回自然環境保全基礎調査 | 大阪府 | 1978 |
瀬戸内海関係海域藻場分布調査報告 | 南西海区水産研究所 | 1979 |
(2)現存、消滅藻場一覧表
現存・消滅藻場一覧表
調査区 番 号 |
地図 番号 |
海 域 名 | 市町村名 | 地 名 | タイプ 番 号 |
面 積(ha) | |
現存藻場 | 消滅藻場 | ||||||
1 | 10 | 大阪湾北 | 貝 塚 市 | 二 色 の 浜 | 7 | 1 | |
2 | 10 | 大阪湾南 | 泉佐野市 | 泉 佐 野 | 75 | ||
3 | 10 | 〃 | 田 尻 町 | 嘉 祥 寺 | 18 | ||
4 | 10 | 〃 | 〃 | 吉 見 | 10.5 | ||
5 | 10 | 〃 | 泉 南 市 | 樫井川河口 | 2.5 | ||
6 | 10 | 〃 | 〃 | 岡 田〜樽 井 | 13 | ||
7 | 10・12 | 〃 | 阪南町 | 男里川河口 | 8 | 14 | |
8 | 12 | 〃 | 〃 | 尾 崎〜箱 作 | 5・7・8 | 184 | |
9 | 12・13 | 〃 | 〃 | 箱 作 | 45 | ||
10 | 12・13 | 〃 | 岬 町 | 淡 輪 | 5・7 | 7 | |
11 | 13 | 〃 | 〃 | 長 崎 | 2・6 | 55 | |
12 | 13 | 〃 | 〃 | 観 音 崎 | 2・5 | 5.5 | |
13 | 13 | 〃 | 〃 | 豊 国 崎 | 2・6 | 18 | |
14 | 13 | 〃 | 〃 | 明 神 崎 | 2・4・5 | 2.5 | |
計 | 287 | 164 |