13.フグ目

(1)フグ科

○クサフグ Takifugu niphobles

沿岸性の海産魚で、砂底地の多い内湾に生息する。成魚は5〜8月までの産卵期になると産卵場に近い河口に集まり、集団で下流域まで遡上することがある(林ほか,1987)。また幼魚期は河口から下流までよく侵入する。青森県以南から琉球列島まで広く分布するので、河口域での記録としてももう少し情報が集まってよい。

○オキナワフグ Chelonodon patoca

本種は奄美大島以南(林ほか,1992)に生息し、河川の感潮域で多く見られるが純淡水域まで進入することがある。幼魚はクサフグ Takifugu niphoblesに外観が類似するので、奄美諸島や琉球諸島など2種が混生する分布域は同定に注意を要する。

(林 公義)

引 用 文 献

 

林 公義・伊藤 孝・林 弘章・萩原清司・木村喜芳.1992.奄美大島の陸水性魚類相と生物地理学的特性.横須賀市博研報,(40):45-63.

林 公義・長田芳和・後藤 晃・西島信昇.1987.フィールド図鑑・淡水魚.東海大学出版会:186pp.

 

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