6.コイ目

(1)コイ科

○ウグイ類(Tribolodon spp.)

情報が東日本から東北・北海道に偏っているのは、地域によってウグイ・マルタウグイ・エゾウグイ・ウケクチウグイなどが混在していて、同定できなかったものがあると思われる。また、ウグイ類ではSakai et al(1985)が報告したように、2種間雑種が高い割合で出現することも一因であろう。

○ウグイ Triboldon hakonensis

自然分布がよく表われている。大阪府・香川県・佐賀県・福岡県・沖縄県からの報告がないが、大阪府下では約30年前に姿を消したと言う(紀平,私信)。福岡県(木村清朗,私信)・佐賀県(多部田ほか,1964)を追加する。香川県では、本種は過去に採集されたことはあるが、繁殖は見られないという(落合ほか,1984)。なお、分布図にはないが本種の分布最南端にあたる屋久島のウグイは移殖によるものである(今井,1975)。

○マルタ Tribolodon brandti

自然分布がよく表われている。福島県(Kurawaka,1977)と石川県(平井,1990)を追加する。由良川・宇川水系(京都府)にも生息するとされるが確認されていない(川那部ほか,1978)。

○エゾウグイ Tribolodon ezoe

山形・新潟県(川那部ほか,1987)・福島県(Kurawaka,1977)を追加する。

○ウケクチウグイ Tribolodon sp.

今回はじめて情報を得られた。自然分布がよく表われている。従来は信濃川・阿賀野川両水系からのみ記録されていたが(中村,1963;中村,1969;本間,1976;Kurawaka,1977)、最近、酒井ほか(1991)が山形県最上川にも分布することを明らかにした。なお、すでに情報はあったが(秋田さきがけ,1991)、今回秋田県からの情報も得られた。環境庁(1991)は本種を危急種としている。

○アブラハヤ類 (Phoxinus spp.)

ヤチウグイは北海道のみに、アブラハヤは福井・岡山以東の本州に、またタカハヤは富山・岐阜・静岡県以西の本州と四国・九州に分布している(板井ほか,1989)。

○アブラハヤ Phoxinus lagowskii steindachneri

前回調査の情報空白部(関東から東北南部)が埋められ、自然分布域がよく表われている。兵庫県から鳥取県にかけての日本海側の分布はタカハヤの可能性もあるので生物地理学的考察は慎重を要する。

○タカハヤ Phoxinus oxycephalus jouyi

自然分布がよく表われている。前回調査の情報空白部(九州・四国)がかなり埋められた。愛知県・高知県・大分県の情報が欠落しているが、これら3県を追加する(落合ほか,1984;伊藤,1985;川那部ほか,1987;板井ほか,1989)。

○ヤチウグイ Phoxinus percnurus sachlinensis

今回はじめて分布情報が得られた。石狩川・天塩川の各水系、網走周辺の情報が不足している。

(前畑 政善)

○オイカワ Zacco platypus

全体としてプロットが散在的で福島県など空白部が少なくないが、関東以西一帯の自然分布と東北への移入状態の概略がおおむね表現されている。四国と九州では自然分布と人為分布の境界が不明瞭になりつつある。

○カワムツ Zacco temmincki

中部以西の西日本での自然分布の概略が読み取れる。東北地方での人為分布の拡大状況は把めないが、関東地方では各地で定着している。長野県および静岡県東部は人為分布と思われる。カワムツは、側線鱗数が53以上で臀鰭分枝軟条数が9のA型と、側線鱗数が51以下で臀鰭分枝軟条数が10のB型に分けられる(細谷,1993)。両型はすでに互いに生殖的に隔離された別種であることが確認されており(Okazaki et al.,1991)、今後の分布調査は、AとBの2型に分けて実施する必要がある。

○ハス Opsarichthys uncirostris uncirostris

福井県三方湖、琵琶湖周辺と木曾川水系にまたがる自然分布域から東西に分布を広げている。表示されたもの以外にも、北海道を除く各地への移入がかなりある。

○カワバタモロコ Hemigrammocypris rasborella

静岡県を東限とした本州太平洋側(中村,1969;板井,1982;金川,1982)、四国の瀬戸内海斜面、九州北西部に分布する。東日本への移入は起こっていないようである。分布図にあらたに大阪府(1977年採集)を加える。環境庁(1991)は静岡県のカワバタモロコ個体群を保護に留意すべき地域個体群としている。

○ヒナモロコ Aphyocypris chinensis

従来、福岡市付近、筑後川水系、佐賀県に分布することが知られていたが、1986年以降、その生息を確認していない。環境庁(1991)は本種を絶滅危惧種としている。

○ヒガイ類 Sarcocheilichthys spp.

亜種レベルの分類ができなかった情報をまとめてあるが、九州および長崎県壱岐はカワヒガイS. variegatus variegatus、長野以北の本州、四国および宮崎県は移殖されたビワヒガイS. variegatus microoculusと思われる。愛媛県の個体は分類学的な精査が必要である。

○カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus

本州でのプロットはほぼ自然分布を反映していると思われるが、九州北部のデータが得られていない。

○ビワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus microoculus

自然分布は琵琶湖・淀川水系。移殖により各地に定着しているが、関東地方の情報が不足している。琵琶湖より移殖された奈良県・広島県・熊本県では在来のカワヒガイとの交雑の可能性も考えられ、ビワヒガイによる遺伝子撹乱が危惧される。

○アブラヒガイ Sarcocheilichthys biwaensis

琵琶湖の固有種。Hosoya(1982a,b)によって独立の種として分類されたもの、琵琶湖内では確実に減少しており、本調査では確認できなかった。

○ムギツク Pungtungia herzi

自然分布域が分布図にかなりよく反映されている。群馬県および東京都にも移入している。本種はオヤニラミやドンコに託卵するとも言われ(Baba et al.,1990)、事実とすれば、本種の分布域は宿主種のそれと重複することが予想される。

○カマツカ Pseudogobio esocinus

福井県を除く本州・四国・九州の全国から記録されたが、青森県など人為分布も含まれるため自然分布は明らかではない。長崎県壱岐からも記録されている(小林・紀平,1978;細谷,1993)。

○ツチフキ Abbottina rivularis

濃尾平野以西の本州から九州にかけて不連続に分布する。宮城県、新潟県および関東平野にも移殖されているが、関東平野での拡散の度合いは大きく、自然分布域内のプロット数をすでに凌いでいる。広島県にも分布する(内藤ほか,1982)。

○ゼゼラ Biwia zezera

人為分布は関東以北の本州。確実な自然分布は琵琶湖・淀川水系のみで、濃尾平野以西の自然分布の実態は明らかではない。

○タモロコ Gnathopogon elongatus

自然分布は中部以西の本州および四国。関東地方における本種の記録は古いうえ(青柳,1957)、拡散の度合が大きいので自然分布の可能性が残る。逆に九州での分布は、本報告のみならず著者の長年の調査にもかかわらず記録は局限されており、人為分布の可能性が強い(細谷,1989)。自然分布域内のうち、長野県諏訪湖で独自の分化を遂げたスワモロコ G. elongatus suwaeはすでに絶滅している。また、同様な湖中適応型である福井県三方湖の個体群も著しく減少している。

○ホンモロコ Gnathopogon caerulescens

琵琶湖・淀川水系の固有種。関東一帯にも移入しており、山陽地方での分布拡大も著しい。本種は止水環境への適応が進んでいるために、流水域での定着は困難である(細谷,1987)。しかし、同属のタモロコとの交雑魚は、F1およびF2ともに稔性があるため、ホンモロコが止水域ヘ移殖された場合には容易に交雑する。そのため、夕モロコの分布域内にあるため池やダム湖から記録されたもののなかには、交雑個体群が含まれる可能性がある。

○スゴモロコ Squalidus chankaensis biwae

濃尾平野以西の自然分布と関東地方における人為分布のパターンがよく表わされている。厳密には湖沼型亜種のスゴモロコS. chankaensis biwaeは琵琶湖・淀川水系と関東平野、河川型亜種のコウライモロコS. chankaensis subsp. はその他の地域に分布する(Hosoya,1982a,b;細谷,1983;牧・坂本,1993,1994)。ただし、山口県・愛媛県・熊本県のプロットは移殖か、イトモロコの誤同定の可能性がある。

○デメモロコ Squalidus japonicus japonicus

濃尾平野から琵琶湖・淀川水系にかけての自然分布がよく保たれている。これ以外の記録の多くは、スゴモロコやコウライモロコの誤同定と思われる。

○イトモロコ Squalidus gracilis gracilis

岐阜県以西の自然分布がよく表れている。日本産スゴモロコ属魚類のなかでもっとも分布が広い。他のスゴモロコ属がいないような小河川にも生息する。長崎県壱岐からも記録されている(小林・紀平,1978;細谷,1993)。

○モツゴ類 Pseudorasbora spp.

情報が少ないのは、調査員によってモツゴ属魚類が明確に分類識別された結果を反映している。プロットの大半はモツゴと思われるが、山形県下のものはシナイモツゴの可能性もある。

○モツゴ Pseudorasbora parva

自然分布は関東以西。移殖により急速に分布域を拡大しており、北海道、東北地方に加えて、今回あらたに沖縄県からも記録された。東北地方での拡散の度合いが大きく、本州での自然分布と人為分布の境界が不明瞭になりつつある。人為分布域では在来のシナイモツゴやウシモツゴとの置換現象が認められる。

○ウシモツゴ Pseudorashora pumila subsp.

従来の自然分布域は天竜川水系(長野県南部・静岡県西部)以西の濃尾平野だが(細谷,1993)、今回は愛知県で確認されたに過ぎない。兵庫県のプロットは人為分布。危急度は極めて高く、早急の保護対策を必要とする。環境庁(1991)では絶滅危惧種とされている。

○シナイモツゴ Pseudorasbora pumila pumila

関東、新潟県以北の本州に自然分布するが、東北地方の太平洋岸の情報が依然不足している。北海道にも移入している。本調査後、基産地の宮城県品井沼周辺で再発見された(高橋ほか,1994)。同属のモツゴとの共存は困難で、現生息地の多くは隔離されたため池に限られる。早急の保護対策を必要とする。希少種とされている(環境庁,1991)。

(細谷 和海)

○ニゴイ Hemibarbus labeo barbus

自然分布域がよく表われている。前回調査の情報空白部(九州北部・中国西部)がかなり埋められた。福島・福井・高知・福岡の各県からの情報が欠落しているが、これらの県を追加する(川那部ほか,1987;落合ほか,1984;伊藤,1985;竹下ほか,1991)。熊本・宮崎両県の分布は移殖による可能性がある。なお、高知県のものは移殖であり、また香川県には分布しない(落合ほか,1984)。

○ズナガニゴイ Hemibarbus longirostris

自然分布域がよく表われている。前回の空白域がよく埋められた。分布図以外にも大阪府にも分布する(北端,1983)。静岡県での分布は中村・相澤(1978)によってはじめて明らかにされたが、鳥取県・香川県の分布とともに天然分布かどうかは検討を要する。

○ワタカ Ischikauia steenackeri

今回の調査で分布の概略がほぼ明らかになった。富山県(田中ほか,1978)、徳島県(大川ほか,1987)を追加する。なお、本種は江戸時代初期まで三方五湖にも生息していたことが古文書に記されているが(田辺ほか,1987)、現在では絶滅している。

○ソウギョ Ctenopharhyngodon idellus

中国からの移殖種。分布図のプロット以外に、前回指摘の秋田・島根両県に加え、滋賀県(松田ほか、1991)、大阪府(矢田ほか,1987)、広島県(小川ほか,1990)、徳島県(大川ほか,l987)、高知県(伊藤,1985)などの地域にも移殖されている。利根川・江戸川水系以外での繁殖は疑問。

○アオウオ Ctenopharhynodon piceus

中国からの移殖種。今回の情報以外に、滋賀県からも報告されている(松田ほか、,1991)。

○コクレン Aristichtys nobilis

中国からの移殖種。かつてはハクレン・ソウギョに混入して各地に移殖されていたが、最近では卵・種苗の供給地である利根川で数が少なくなったこともあって、姿を消す傾向にある。

○ハクレン Hypophthalmichthys molitrix

中国からの移殖種。中国四大家魚のうちでは、ソウギョとともに移殖が盛んで、国内での記録が最も多い。秋田県(杉山,1979)、静岡県(板井ほか,1989)、滋賀県(松田ほか,1991)、徳島県(大川ほか,1987)などにも生息する。

○コイ Cyprinus carpio

分布域がよく表われている。古くから放流が行われているため、正確な自然分布は不明であるが、少なくとも北海道のものは移殖と考えられている(後藤,1982)。

○フナ類 (Carassius spp.)

国内各地からフナ類としての情報が寄せられたのは、この類の分類が困難であるためと考えられる。今後、正確なデータを得るためには情報の収集方法を再検討する必要があろう。

○ギンブナ Carassius auratus langsdorfi

ほぼ日本全土に分布している。ただし、フナ類の分類が困難であるため、本種として報告されたものの中に、オオキンブナやナガブナが含まれている可能性がある。

○キンブナ Carassius auratus subsp.1

ギンブナの場合と同じ理由により、分布図のプロットには、オオキンブナやナガブナの情報が混在している恐れがある。

○ナガブナ Carassius auratus subsp.2

分布がよく表われている。ギンブナの場合と同じ理由により、本種として報告されたものの中にオオキンブナやギンブナが含まれている可能性がある。

○ニゴロブナ Carassius auratus grandoculis

自然分布域がよく表われている。奈良県の分布は移殖によると思われる(御勢,私信)。

○ゲンゴロウブナ Carassius cuvieri

分布域がよく表われている。琵琶湖水系の固有種であり、自然分布は琵琶湖と淀川水系に限られるが、その養殖型であるカワチブナ(ヘラブナ)が日本各地へ移殖された結果、現在のような分布になった。分布図のプロット以外に沖縄県にも生息している(瀬能,1985)。さらに、国外でも中国南部、韓国、台湾などにも移殖され定着している。

○オオキンブナ Carassius auratus buergeri

今回はじめて分布情報が得られた。北陸地方の情報が欠落している。フナ類の分類が困難なため、本種として報告されたものの中に、ギンブナやナガブナが含まれている可能性がある。

(前畑 政善)

○ヤリタナゴ Acheilognathus lanceolata

本種はタナゴ亜科の中で最も分布域が広いが、今調査の結果はほぼ地理的分布パターンが表われている。この中で房総半島中南部での記録については、1970年代末までの既往調査や文献記録が全く無いことから、ゲンゴロウブナの放流種苗への混入(東京湾側)、利根川水系から農業用水路を通じての進入(太平洋側)に起因する移殖の可能性が大きい(君塚・中村.1979)。連続広分布種における縁辺部での移殖進入には、今後とも十分な注視が必要である。

○アブラボテ Acheilognathus limbata

本調査の結果はほぼ地理的分布パターンを表わしている。南限の鹿児島県産個体群の現状は不明。静岡県の記録は明らかな移殖によるもの。近年の移殖記録は、琵琶湖の流入河川にコアユ漁業が進出したことに伴なう可能性が指摘されている(君塚,1988)。

○イチモンジタナゴ Acheilognathus cyanostigma

調査結果はほぼ地理的分布パターンを表わしている。古くから、コアユの種苗に随伴したと思われる移殖が確認されているが、今回の調査結果では、石川県・宮崎県など分布拡大が進行している。天然分布域である兵庫県加古川水系に近接する岡山平野での近年の出現は、既往記録(例えばHosoya,1982b)から考えて移殖によるものと判断される。天然分布域に隣接する移殖には注意が必要である。

○タナゴ Acheilognathus moriokae

調査結果は地理的分布パターンを良く表わしている。但し東京都では絶滅、神奈川県でも同様と判断される。関東・東北地方以外から、標本に基づく本種の確実な記録は見られない。山形県・新潟県など本州東北部日本海側の記録をはじめ、中部・近畿・中国地方の記録は、体高の低い地のAceilognathus属(タビラ類・イチモンジタナゴ・ヤリタナゴ)の誤同定、あるいは亜科名と標準和名との混同による誤記録が多い。

○タビラ類 Acheilognathus tabira spp.

青森県の記録についてはアカヒレタビラの可能性が大きいが、その場合に岩木川水系は新記録である。シロヒレタビラについては、本調査以外でも東京都・神奈川県などからコアユ混入と推定される移殖出現があり、記録には十分な吟味が必要である。

○シロヒレタビラ Acheilognathus tabira tabira

今回の調査結果は、ほぼ地理的分布パターンを表わしている。イチモンジタナゴと同様に、古くからコアユに混入したと思われる移殖が確認されているが、今回調査でも神奈川県の記録が該当する。既往記録と他種の分布パターン等から考え併せると、愛知県矢作川から広島県芦田川までが天然分布域、明らかに近年の出現である広島県大田川はコアユ起源の移殖分布との判定(比婆科学教育振興会,1990)を支持する。島根県の記録については判定困難であるが、移殖の可能性のほか、夕ビラの3亜種の同定全体についての整理が必要と思われる。

○アカヒレタビラ Acheilognathus tabira subsp.

今回の調査結果は、前回に比べてかなり地理的分布パターンを表わしているものの、天然分布が確実な長野県(信濃川水系;主に湖沼)、山形県の情報が欠如し、群馬県の情報も不足している。今回の青森県のデータは天然分布とすれば初記録。日本海側では、石川県以北では標本に基づく確実な記録があるが、福井県下からの文献による報告は、少なくとも写真が添付されている個体記録はいずれもシロヒレタビラ(移殖)であった。長田ほか(1981)は鳥取県多鯰ヶ池、斉藤ほか(1988)は島根県大原川から、それぞれ本亜種を記録したが、近畿・中国地方の日本海側のタビラ類の記録については亜種の同定と天然分布の是非について慎重に検討する必要がある。関東地方産では一部個体、北陸産地方では多くの個体で、亜種の特徴である雄の臀鰭外縁部の赤色帯が、成熟が進んだ段階で赤色→桃色→純白色にまで変化し、シロヒレタビラのそれに似る現象が観察されている。初期調査のデータ中にも、これに該当すると判断される福島県産のシロヒレタビラの記録があったが、産卵期の採集であり、かつ同一地点に既往記録(中村,1969)がある本亜種に改めた。既に東京都では絶滅、関東平野全体でもかなり減少傾向にある模様で注意が必要。

○セボシタビラ Acheilognathus tabira subsp.

全体にかなり情報不足のようで、特に既往記録のある福岡県、佐賀県からは今回の調査では発見報告がない。この結果からは、調査が不十分なためか、実際の現存量が減少しているのかが判断できない。九州西北部に分布が局限される狭分布亜種であるため、その推移には今後とも十分に留意する必要がある。

○カネヒラ Acheilognathus rhombea

本調査の結果は、ほぼ地理的分布パターンを良く表わしているが、佐賀県の情報が欠如し、福岡県南部の情報も不足している。関東、東海、四国地方は移殖分布。茨城県霞ヶ浦周辺の記録は、琵琶湖から淡水真珠養殖母貝であるイケチョウガイや混入した他種の二枚貝類の移殖に随伴した可能性が指摘されている(中村・君塚,1979)。

○イタセンパラ Acheilognathus longipinnis

調査結果は地理的分布パターンを良く表わしている。但し三重県の記録に関しては、標本に基づかない既往記録はあるものの、再精査が必要である。富山平野における近年の発見は特筆される。濃尾平野の生息状況については、今後の注視が必要である。大阪府の淀川下流域に関しては、主生息場であるワンドが、河口堰設置による流況係数の安定化(=河道フラッシュ効果の減退)で、土砂堆積などによる環境悪化が懸念されており、また外来魚の進入などの変化の要素も含めて、今後継続監視をしていく必要がある。環境庁(1991)は絶滅危惧種としている。

○バラタナゴ類 Rhodeus ocellatus spp.

「バラタナゴ」の情報には、1ニッポンバラタナゴ純粋種、2タイリクバラタナゴ純粋種、3両者の雑種個体(主な形質はタイリクバラタナゴのそれを発現)の3パターンが混在している。ニッポンバラタナゴが天然分布していない関東地方は、アジア大陸からのタイリクバラタナゴの初期侵入地域(中村,1955)であるが、その後琵琶湖産アユやゲンゴロウブナの放流種苗への混入などの理由で、タイリクバラタナゴ純系個体群に、ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴとの交雑個体群が再侵入して再々交雑している可能性が大きい。本調査で単に「バラタナゴ」とされた情報は、少なくとも中部・関東以北ではタイリクバラタナゴあるいは雑種個体群として扱うべきである。かつてのニッポンバラタナゴ天然分布域内の記録であっても、その殆どは雑種個体群である可能性が大きく、慎重な対応が必要である。

○タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus

地理的分布域は、なお拡大傾向下にある。かつてタナゴ亜科魚類が分布していなかった北海道でも出現している。

○ニッポンバラタナゴ Rhodeus ocellatus kurumeus

本調査には収載されていない大阪府の記録を除き、古い記録や単に地理的分布から亜種を決定したことが推定されるデータが混在しており、純粋な個体群が現在も生息しているかどうかにはかなり疑問がある。今後の推移を注視するとともに、亜種の識別法を確立する必要がある。環境庁(1991)では絶滅危惧種とされている。

○カゼトゲタナゴ Rhodeus atremius

地理的分布域が良く示されている。狭域分布種であり、河川改修や圃場整備による環境変化を生じ易い小規模水域を中心に生息するため、生息状況は今後とも十分に注視していく必要がある。

○スイゲンゼニタナゴ Rhodeus suigensis

既知の地理的分布域が良く反映されているが、個々のデータにはかなり古い記録も含まれている。環境変化による著しい減少傾向が各地から報告されており、全体的な現況把握が急務であろう。詳細な分布情報の公開は慎重に行なうべきである。環境庁(1991)は本種を絶滅危惧種としている。

○ミヤコタナゴ Tanakia tanago

本調査では既知の地理的分布域がかなり採録されている。神奈川県では野生個体群は絶滅し、人為的環境下で飼育されているのみで、奇形個体の発生も報じられている。埼玉県もこれに近い状況下にある模様。栃木県では確実な野生個体群はl箇所のみで、一部の飼育環境下では、複数水域産の個体群が混合されてしまっており、自然水域や保護河川への再放流を行う際には、純粋な個体群のみを充てなければならない。詳細な分布情報の公開は慎重に行なうべきである。環境庁(1991)は本種を絶滅危惧種としている。

○ゼニタナゴ Pseudoerilampus typus

既往記録のある秋田・群馬・栃木・埼玉の各県からは情報が欠如するなど、分布情報はかなり不足している。神奈川県は天然分布域であるが、現存する個体群は人為的な移殖の可能性が大きい。天竜川水系の個体群は、霞ケ浦からの二枚貝類の移殖に随伴したものと推定される。環境庁(1991)は本種を希少種としている。

(君塚 芳輝)

引 用 文 献

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(2)ドジョウ科

○アユモドキ Leptobotia curta

自然分布がよく表れている。今回も琵琶湖からの情報が欠落しているが1992年6月に内湖である西ノ湖で成魚1個体が採捕されている(前畑,未発表)。

この採捕は10数年ぶりであり、しかも採捕個体が全長約18cmの大型個体であること、また稚魚ないし未成魚がまったく採捕されていないことから、木村(1988)が指摘したように、琵琶湖ではほぼ絶滅状態にあると言ってよい。昭和52年に種指定(国)の天然記念物に指定された日本固有種。環境庁(1991)は本種を絶滅危惧種としている。

(前畑 政善)

○ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus

全国的な広分布が明らかになっている。但し紀伊半島南西部、四国南部、九州東南部の情報が欠如している。沖縄県は移殖、北海道については、全てが移殖とする意見(澤田,1987)と、渡島半島以南は天然分布の可能性もあるとする見解(前川・後藤,l982)がある。

○シマドジョウ類 Cobitis spp.

報告されたそれぞれの地域に天然分布するシマドジョウ類がおり、標本による確認が不可欠。

○タイリクシマドジョウ Cobitis taenia taenia

既知の地理的分布域がよく記録されている。

○スジシマドジョウ Cobitis taenia striata

池田(1937)が記載した「体側中央部の斑紋が(雌雄とも)連続した縦帯となる」スジシマドジョウは、中型種族とも呼ばれ(皆森,1950)、琵琶湖・三方湖から、広島県太田川・島根県江川にかけての瀬戸内海斜面地域を中心に分布する(君塚,l987)。今回の調査で本亜種として報告されたうちの東海・山陰地方産の個体群は、相澤(1981)が述べたCobitis taeniaの1亜種、すなわち成熟した雄は縦帯型、雌は終生点列型という斑紋を持つ地域個体群に該当するものと判断される。これらは斑紋が性的二型を示すことから、現行の分類では亜種小名を決定できないが、少なくとも成熟雄が縦帯斑を示すことを理由に、仮にスジシマドジョウに含める見解もある(Saitoh and Aizawa,I987)。なお、木曾川水系からは、移殖によると思われるスジシマドジョウ(いわゆる中型種族)l個体も採集されている。分類学的な記載が行なわれれば、情報を分ける必要がある。

○シマドジョウ Cobitis biwae

青森県から山口東部にわたる連続した広分布域をよく現わしている。既往記録から考えて、岩手県東部、山形県、福島県、茨城県東部の空白地帯は情報の欠如である。伊豆半島、紀伊半島西南部、高知県西部には分布していない。前回調査で報告された九州地方の記録は、タイリクシマドジョウに該当する。山口県西部からの情報も同様の可能性が大きい(Kimizuka and Kobayasi,1983)。

○イシドジョウ Cobitis takatsuensis

既知の分布域の全容(Kimizuka et al., 1982;酒井ほか,1989)が良く現われている。主に小規模な上流域に生息しているため、河川環境の変化により個体群の密度がかなり変動する。地理的変異が大きいことも報じられており、ダム設置や沿川の道路敷設などの影響について各地方において十分に注視していく必要がある。また、詳細な分布情報は慎重に取り扱うべきである。

○アジメドジョウ Niwaella delicata

既知の分布域の全容が良く現われているが、愛知県の現況に関する情報が欠如している。上流域に生息しているため、河川環境の変動の幅が大きく、また多くの地域では沿川の人々に注目される度合が少ないことから、資源量の推移には注意を要する。各地域で保全への配慮を継続してく必要がある。一切の繁殖保護措置がなされておらず、また成熟個体を積極的に採補する漁法に漁業権が設定されている現況にも一考を要する。

○フクドジョウ Barbatula toni

分布状況を良く表わしている。渡島半島での出現は、サケマス類の放流に伴なう移殖と推定されている(前川・後藤,1982)。

○ホトケドジョウ Lefua echigonia

地域によってはやや分布情報が不足している。湧水やこれを水源とする細流を主な生息場とするため、湧水の枯渇や開発行為によって、東京都などの都市近郊地域では生息密度が著しく減少している。市街地に隣接する生息地では、湧水を涵養するための雨水の地下浸透などの施策を広域的に実施する必要がある。東京都東久留米市など地域によっては、ホトケドジョウを核とする街づくりへの市民提言も行なわれるようになってきた。体側斑紋や体型の地理的変異の幅が大きく、西日本産に別称を与えて区別する主張もあるが、今後の正式な記載が待たれる。

○エゾホトケ Lefua nikkonis

北海道での分布情報がかなり不足している。青森県の2地域での記録は、明らかに移殖によるもの(竹内・太田,1993)。渡島半島の記録は、移殖の可能性がある(前川・後藤,1982)。食用のドジョウ種苗に混入して遠隔地で販売されている事例がしばしば見受けられ、今後の移殖分布の動向には注意を要する。

(君塚 芳輝)

引 用 文 献

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