ある地域では暖かさの指数が85になる高度のところがちょうど寒さの指数で−10だとすると,そこは温量指数からみると,この高さのところを境に下部にカシ類を主とした常緑広葉樹林,上部にブナ・ミズナラを主とした落葉広葉樹林が分布する条件をそなえているといえる(図3.5.3)

 ところが寒さの指数で−10になるところがもっと高いところにある地域の山だとブナとカシが混生できる条件にある(同図の左側).

 反対にもっと低いところで−10に達してしまえばブナもカシも生育できない場所が生ずることになる(同図の右側).このようなブナもカシもない,あるいはブナとカシの混生する,いわば暖温帯と冷温帯の中間的な森林を中間温帯林とよんでいる.(飯泉・菊池, 1980;大場, 1985)

 

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