2.2.8海岸調査

 

●海岸線の総延長は、下表のとおり、前回の調査結果に比べ約300km増加した。
 この海岸線の増加は、主として埋立によって新しい海岸線(汀線)ができたことによる。

表2-2-25 海岸線の総延長

全国 調査年 総延長 比率 差引増減
昭和59年度
53年度
32471.85km
32170.21km
100%
100%
301.64km
本土域海岸 59年度
53年度
18919.26km
18668.31km
58.3%
58.0%
250.95km
島嶼域海岸 59年度
53年度
13552.59km
13501.90km
41.7%
42.0%
50.69km

●海岸(汀線)の区分別の構成比は図2-2-19のとおりで、自然海岸が全国の海岸線に
 占める割合は56.7%、これを島嶼部を除く本土のみで見ると46.0%である。
 また、代表的な海域毎に海岸汀線の構成比を表示したのが図2-2-20である。

 

●海岸(汀線)の区分別延長を前回調査結果(昭和53年度)と比較すると、海岸線全体に占
 める割合は、自然海岸が2.3%の減少、半自然海岸が0.4%の増加、人工海岸が1.9%の増
 加となっている(表2-2-26、図2-2-21)。

表2-2-26 海岸(汀線)の区分別延長の比較


昭和59年度
昭和53年度
増減
延長
占有率
延長
占有率
延長
占有率
自然海岸
18402.08km
56.70%
18967.17km
59.00%
△565.09km
△2.3%
半自然海岸
4511.44km
13.90%
4340.36km
13.50%
171.08km
0.40%
人工海岸
9294.54km
28.60%
8598.95km
26.70%
695.59km
1.90%
河口部
263.79km
0.80%
263.73km
0.80%
0.06km
0.00%
合計
32471.85km
100.00%
32170.21km
100.00%
301.64km

●代表的な海域の海岸汀線の変化状況をみると、すでに人工海岸化が進んでいる東京湾、
 三河湾、伊勢湾などの変化は少なく、変化の大きい海域についてみると、石狩、胆振、
 富山湾などの海域で人工海岸化が進み、遠州灘、秋田などの海域で半自然海岸化が進ん
 でいる(図2-2-22)。

●自然公園及び自然環境保全地域についてみると、全海岸線のうちこれらの指定を受けて
 いる海岸線は53.7%であり、自然海岸の約3分の2にあたる64.3%が自然公園等の指定
 を受けている(図2-2-23)。
●一方、自然公園及び自然環境保全地域内の海岸の状況をみると、自然公園では67.7%が
 自然海岸であり、また自然環境保全地域は、総延長は少ないものの大半が高い自然海岸
 占有率を示し、平均では70%を越えている(表2-2-27)。
●鳥獣保護区については、全海岸線のうち15.5%がその指定を受けている。

表2-2-27自然公園、自然環境保全地域内の海岸状況

(上段:延長距離、km、下段:%)
区分
自然海岸
半自然海岸
人工海岸
河口部
合計
国立公園
5,677.55
(67.5)
762.24
(9.1)
1,939.92
(23.1)
31.09
(0.4)
8,410.80
国定公園
3,947.43
(70.5)
703.31
(12.6)
933.11
(16.7)
15.40
(0.3)
5,599.25
都道府県立自然公園
2,067.91
(63.4)
465.60
(14.3)
705.02
(21.6)
21.01
(0.6)
3,259.54
原生自然環境保全地域
6.95
(100.0)
0.00
(0.0)
0.00
(0.0)
0.00
(0.0)
6.95
都道府県立自然環境
         保全地域
124.37
(75.3)
27.31
(16.5)
11.97
(7.2)
1.52
(0.9)
165.17