2.1.9　海域生物環境調査

●調査目的

　 前回調査(第2回自然環境保全基礎調査・昭和53年度実施)に引続き、わが国沿岸域に
　 おける生物の生息状況及び生息環境を把握するため、潮上帯(飛沫帯)及び潮間帯に生
　 息する生物を調査するもの。

●調査実施者

　 調査は都道府県に委託して実施した。

●調査対象地域

　 海岸を有する全国の都道府県(計39都道府県)の 107調査地区(表2-1-6)。

●調査実施期間

　 昭和59年度から61年度の3ヵ年。

●調査内容

　 以下の調査対象生物・調査事項について調査を実施し、「調査地区位置図」「環境調査
　 票」「海域生物調査票」を作成した。

　　 ○調査対象生物

　　　 潮上帯及び潮間帯において肉眼で見える大きさの動植物で、次の各分類群に属する
　　　 もの(海藻に付着しているものや、付着生物の下にいるものは除外)とするが、そ
　　　 の他の生物についても可能な限り調査することとした。

　　　 <磯浜・転石浜の場合>　　　　　　　　　　　<砂泥浜の場合>
　　　　　・軟体動物　　　　　　　　　　　　　　　　　　・軟体動物
　　　　　・甲穀類(固着性)　　　　　　　　　　　　　　 ・甲穀類
　　　　　・棘皮動物　　　　　　　　　　　　　　　　　　・多毛類
　　　　　・緑藻類 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・棘皮動物
　　　　　・褐藻類 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・その他の動物
　　　　　・紅藻類 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・緑藻類

　　 ○調査事項

　　　　・調査地区周辺の概要
　　　　・植物の被度及び湿重量
　　　　・動物の個体数及び湿重量

●調査方法

　各都道府県ごとに2ヶ所以上の調査地区を選定し、春(主として5月)、夏(主として
　 9月)の年2回、原則として大潮の干潮時に現地調査を実施した。
　 調査は、潮上帯最上部に設置した調査基点から汀線に向かって直角にのばした横断線の
　 周辺において、潮上帯、高潮帯、中潮帯、低潮帯の潮位帯別にそれぞれ3つの方形枠
　 (コドラート)を設置し、その方形枠内において生物を観察、採集することとした。

●全国集計(とりまとめ)の概要

　 以下の項目について全国レベルでの集計等を行い、その結果を『海域生物環境調査報告
　 書(全国版)』としてとりまとめた。

　　○季節別・地区別集計
　　○海区別・地区別・潮位帯別集計
　　○水平分布図の作成
　　○鉛直分布図の作成

　　　　　　 　　　　　　　　表2-1-6　調査地区一覧表