801  ド   バ   ト

 ほぼキジバトと同大かやや大きい。本来日本には生息していなかった。原産地は中央アジアから西アジア方面で、乾燥した地帯の岩壁などに繁殖し、野性種はカワラバトと呼ばれている。本来の色彩はこのカワラバトのもので、いわゆる二引と言われ青灰色の体で翼の部分に黒い二本の線があるタイプであるが、全身ほぼ黒色のものから白色のものまで様々な色彩の個体が見られる。♂はグルッポグルッポと鳴きながら、しばしばディスプレイを繰り返す。以前は神社・仏閣などに限って見られたが、最近では各地で非常に増加し、建築物・農作物その他に被害をもたらし、いわゆるドバト公害を引き起こす例が増えている。穀物を主食とし、人間が直接・間接的に与える食物にほとんど依存して生活しているものが多い。繁殖は人工の建造物に営巣するものがほとんどであるが、まれに海岸の洞窟などの自然の環境で繁殖している場合がある。繁殖期は特に決った季節はなく、食物さえ十分にあれば一年中繁殖を繰り返す。小枝などを集めて粗雑な巣を作り、白色の卵を2個産む。

 現在まで、国内における分布繁殖などはほとんど調査されておらず、今回の調査はドバトの全国分布を知る上で貴重なものである。個体数の多い都市周辺などでは記録されるメッシュも多く、関東地方南部から西に連なる地帯に繁殖分布が集中している。日本の北東部では少ない。海岸沿い、平野部に多く、内陸部・山地では少ない。食物を人間に依存している場合が多いため、人口の集中している地域に分布の集中が見られる。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

169

53

172

394

構 成 比(%)

42.9

13.5

43.7

100.0

 

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