435 ホ  オ  ジ  ロ

 ほぼスズメ大。顔は黒色で白色の眉斑と頬線がはいる。背面は赤褐色で黒褐色の縦斑がある。喉は灰色で、下面は赤褐色である。♀は♂より全体に淡色である。留鳥または漂鳥として、本州、佐渡、隠岐、四国、九州、対馬、壱岐、五島列島、屋久島、種子島、伊豆諸島(大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島)などに生息する。北海道では夏鳥で、11月ごろには本州に渡るが、ごくわずか越冬するものもあるようである。全国に極めて多い。「一筆啓上仕候」と聞きなすことで知られている。平地、低山帯の灌木林、アカマツの疎林、草原などに生息する。北海道では平地に多く、高山には生息しない。比較的明るい場所を好むため、林縁などにとくに多い。冬期には標高の低い地域(本州では標高800mぐらいから下の地域)、温暖な地方に漂行する。繁殖期のほか、厳冬期や渡りの時期以外には番でいることが多い。灌木林、草原などの地上または低木の人の身長ほどの高さまでの樹枝上に営巣する。巣は草木の根、枯草、枯葉などを主材として椀の形をつくり、内部に馬毛、細根、枯葉などを敷く。産卵期は4月中旬から7月下旬ごろまでである。1巣の卵数は3〜5個で、4個であることがもっとも多い。卵は灰青色、灰白色、淡赤褐色などの地に黒褐色、灰紫色、赤褐色などの小斑、または条斑がある。条斑は鈍端付近に環状に集まる。

 本種は全国でごく普通に繁殖し、本州以南、薩南諸島までの各地でA・B・Cランクのいずれもマークされていない地域はわずかしかない。北海道でも北部、東部および中央部の山地での繁殖があまり見られないほかは、かなり広く繁殖している。隠岐ではこれまで繁殖の報告はなかったが、今回、繁殖の可能性ありと記録された。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

667

2,006

133

2,806

構 成 比(%)

23.8

71.5

4.7

100.0

 

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