417 オ オ ル リ

 ほぼスズメほどの大きさで、ヒタキ類としては大型である。♂は上面が美しい瑠璃色で光沢があり、下面は白く喉から脇にかけて黒色部がある。また尾のつけ根の両脇に白色の部分がある。♀ではほぼ全身褐色で、腹部は汚白色である。♂の幼鳥では、翼と尾は瑠璃色だが他は♀に似る。カッカッと地鳴きし、囀りは、ピーローリーリージジッなどと鳴くので、ややキビタキに似るが、ジジッという濁った声が入る点が異る。日本には夏鳥として4月下旬に渡来・繁殖し、10月頃渡去する。主として低山帯から亜高山帯にかけての山地に生息し、特に渓流沿いのよく繁った林に多い。各地に普通の鳥である。樹頂などの目立つ場所でさかんに噌る。昆虫類を主食とし、飛翔中の昆虫をよく捕え、飛びたって虫を捕えてはまた元の枝に戻るヒタキ類特有の行動を繰り返す。渡来後なわばりが決まると、渓流沿いの崖地・石垣などのくぼみに蘚類を集めて営巣し、汚白色の地に不鮮明な褐色斑のある卵を3〜5個産卵する。春・秋の渡りの時期には、市街地付近でも観察されるが、その数はキビタキほど多くない。日本など北東アジアで繁殖し、冬期には中国南部・マレー半島・フィリッピンなどに渡る。

 調査結果は、南西諸島を除くほぼ日本全国で生息・繁殖が確認された。各地の山地では普通であるが、釧路・根室地方や関東平野などの平野部にはほとんど生息していない。平野部以外でも鹿児島西部などでは記録されなかった。北海道・東北地方では、若干記録されたメッシュの密度が低い。生息に適した環境があれば、海岸部や半島・島嶼部にも生息している。島嶼部では、佐渡・隠岐・対馬で生息が確認され、対馬では繁殖も確認されている。筑前沖島でも生息が認められた。また、淡路島や小豆島などの瀬戸内地方でも、生息・繁殖が認められた。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

199

1,290

80

1,569

構 成 比(%)

12.7

82.2

5.1

100.0

 

繁殖分布地図索引へ