412 セ   ッ   カ

 スズメより小さく、ほぼメジロ大の鳥である。冬羽では、上面が黄褐色で、黒い縦斑があり、下面は白っぽく、尾の先端は白い。夏羽では上面が黒っぽい色に変わり、尾の先は黒く、さらにその先が白くなる。尾は長めでややくさび形をしている。♂♀同色。繁殖期には独特の鳴き方をする。ヒッ、ヒッ、ヒッと鳴きながら飛んで上昇し、下降して来る時には、チャッ、チャッ、チャッと鳴く。草などにとまって同様の声で鳴く場合もある。繁殖期以外はあまり声を出さない。本州以南に留鳥として生息するが、北日本のものは冬期数が少なくなる。恐らく南日本など温暖な地方へ移動するものが多いのであろう。各地の平野部のアシ原や草地、山間部では大河川沿いの川原や高原などにも見られる。昆虫、クモ類などを主食とし、5〜9月頃、イネ科の植物の葉をクモの糸で縫い合わせ、生きているイネ科植物に取り付ける。縦長で出入口は上方に付いている。卵は4〜8個である。♂はなわばり内にいくつか巣を造り♀を呼び込む、一夫多妻が普通で抱卵、給餌は♀のみが行い、♂は巣造りと、囀りに専念する。年に2回以上産卵する♀も見られる。南ヨーロッパからアフリカ、アジア中南部から北オーストラリアに渡る広い範囲に生息、分布している。

 調査の結果は、本州中南部に分布が集中し、北陸・東北地方にかけては局地的な分布である。北限は秋田県の八郎潟で、繁殖も確認されている。仙台平野では多くのメッシュで生息、繁殖が確認されているが、庄内平野、新潟平野、富山平野では極めて少ない。中部以西では太平洋沿いの平野部から筑紫平野にかけては極めて多い。山間部では、局地的な分布を示し、生息地が限定されている。佐渡、隠岐、対馬では生息が認められなかったが、壱岐、五島列島、甑島では、生息が認められた。九州以南の島嶼では、種子島、屋久島、沖縄諸島から、八重山諸島まで連続して分布している。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

198

475

34

707

構 成 比(%)

28.0

67.2

4.8

100.0

 

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