401 マキノセンニュウ

 体長約120mmの小型のセンニュウ類。体の上面はオリーブ味を帯びた茶褐色で、淡色の眉斑がある。頭から背にかけては、黒褐色の軸斑がある。下面は汚白色で、胸部には細い縦斑がある。日本には夏鳥として、主に北海道に渡来する。湿性の草原を好み、海岸近くや河川、湖沼近辺の草地に多く生息する。草中を潜行することが多く、細い声でチリリ……と鳴く。囀っている時は、葉先にとまっていることも多い。本州でも繁殖の記録がある。6〜8月、草の根元や株中にイネ科植物の葉や茎で椀形の巣を作る。産座には枯葉や穂などを敷き、灰白色の地に淡紫色、淡灰褐色、淡赤褐色等の小斑が散在する卵を3〜5個産卵する。餌は主に昆虫類である。個体数は、それほど多くはない種である。

 今回の調査では、北海道の他、山梨県で囀りが1例のみ記録されたが、渡り途中の個体とも思われる。北海道では、オホーツク沿岸、根室地方一帯、十勝平野、石狩平野などで主に記録された。中でも、根室地方での記録が他に比べ多い。確実な繁殖記録は4サブメッシュであった。本種も、草原の鳥類の中では個体数が少なく、繁殖地もある程度限られているようである。北海道では、主に平地部で記録されている。

 本州での記録は、かつて富士山の標高2,000メートル近い草地で巣卵が発見された他、群馬県や新潟県の山地の湿原等で夏期の観察記録がある。目立たない鳥であるが、今後の調査により本州での記録が新たに得られる可能性はある。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

4

36

4

44

構 成 比(%)

9.1

81.8

9.1

100.0

 

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