399 エゾセンニュウ

 全長約180mm。体の上面はオリーブ色を帯びた褐色。下面は灰白色で、胸と脇はオリーブ褐色を帯び、淡色の眉斑がある。日本には5月頃夏鳥として北海道に渡来する。河川や湖沼近くの湿性草原や低木の散在する草原に生息し、茂みの中を潜行することが多い。トッピンカケタカと聞こえる声で囀る。昼間も噌るが、特に夕方から朝にかけてはよく囀る。渡りの時期には、本州でもその囀りが記録されている。

 6〜7月、草原に点在する低木の繁みなどに営巣する。枯葉、枯茎等を用い、産座には細根や枯葉を敷く。灰白色の地に紫褐色や灰紫色の小斑のある卵を3〜5個産卵する。主に昆虫類を食する。

 我国には北海道でのみ繁殖する。北海道では北部からオホーツク沿岸の平野部、根釧原野一帯、十勝平野、石狩平野等の主な平地の草原に分布するものが多く、山地にはほとんど分布しない。

 今回の調査結果のうち確実な繁殖記録は2メッシュであった。全体の記録に比べ確実な繁殖例が少ないのは特徴的な囀りを持ち、存在を容易に知ることが出来るのに比べ、本種の営巣場所が茂みの中で営巣の確認が難かしいためと考えられる。島嶼部では、利尻・礼文の2島より記録が得られた。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

3

157

10

170

構 成 比(%)

1.8

92.4

5.9

100.0

 

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