382 マ  ミ  ジ  ロ

 全長235mm。♂は全身黒色で、白い眉斑が目立つ。♀は上面オリーブを帯びた褐色で、淡色の眉斑がある。喉は淡褐色で、胸から脇は褐色の鱗状模様がある。腹部はクリーム色。♂♀とも飛ぶと翼の裏面に白と黒のしま模様が出る。夏鳥として我国に渡来し、落葉広葉樹林、カラマツ林、亜高山針葉広葉樹林等で繁殖する。渡来後しばらくすると、♂は高い木の頂等でキョロンツィーと聞こえる声で噌る。5〜7月、森林中の樹枝上に枯草や枯枝、根などを土で固めた椀形の巣を作り、リゾモルファーなどを産座に敷く。青緑の地に青灰色及び褐色の斑が散在する卵を3〜4個産卵し、♂♀交代で抱卵する。餌は、甲虫類の幼虫や蛾の幼虫等の他、植物質ではミヤマザクラの実などもついばむ。

 今回の結果では、九州から北海道までの各地で記録されたが、四国からの記録は得られなかった。北海道の一部を除き、いずれも山地部での記録である。これまで本種の分布は本州中部以北の山地とされてきたが、今回の結果より、中国地方東部でも繁殖することが明らかになった他、九州でも生息が確認されており、今後の調査が期待される。本州中部では最も記録が多く、山岳地帯一帯に分布しているが、生息数はそれほど多くはない。東北地方では岩手県に多く、山地部以外の低地でも記録がある。北海道では、大雪山一帯の他小樽周辺や石狩地方及び稚内周辺など平地にも分布するが、東部からの記録は知床半島のCランクのみであった。北海道からはAランクは得られなかった。本種は、本州中部以西では普通標高約700メートル以上の山地の森林に生息し、亜高山でも生息するが、東北地方北部から北海道では、平地の森林でも生息している。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

18

193

20

231

構 成 比(%)

7.8

83.5

8.7

100.0

 

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