355 ヒ  ヨ  ド  リ

 ほぼムクドリと同大であるが、尾が長いので全長では、ムクドリより大きい。枝などにとまると直立に近い姿勢をしている。全身暗青灰色で、下面には淡色の斑があり、翼・尾はやや暗色である。頬は茶色斑があり、嘴は細長く、頭部はぼさぼさ頭をしている。北の地方の個体は淡色で、南方の個体は黒っぽく、特に沖縄諸島のものは体色が非常に暗色である。ピィーヨ・ピィーヨと高い大きな声でよく鳴く。各地の平地から山地にかけて普通に生息し、周年見られる。広葉樹林に多く、人家周辺にも多い。春・秋の渡りの時期には、各地で通過中の大きな群が観察される。大きな波状を描いて飛び、地上にはあまり降りない。昆虫・果実や花の蜜などを好み、餌台にも飛来する。5〜7月頃、森林中の樹上に枯枝などを集め営巣し、斑点の散在する卵を4〜5個産卵する。最近では都会などのわずかな木立などでも繁殖するようになり、また市街地や公園などで、ゴミや残飯などを食べる光景を見るようになって、都市化への適応を見せている。日本など東アジアに分布する。

 調査結果は、日本全国の大部分のメッシュで生息が認められ、記録されたメッシュ数では最も多い鳥の一つである。北海道では道央の山岳地方では生息確認のないメッシュが目立つ。本州以南では、生息未確認メッシュを探すのが困難なほどで、各地で普通に生息している。本州中部などの山岳地域でも記録されないメッシュは少なく、かなり標高の高い地域でも生息しており、本種の環境選択の幅の広さを示すものである。北海道を除く各地の島や南西諸島にも連続して生息・繁殖が確認された。また、従来の記録として伊豆諸島・小笠原諸島にも繁殖している。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

443

340

1,608

2,391

構 成 比(%)

18.5

14.2

67.3

100.0

 

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