336 リュウキュウツバメ

 上面は、額が赤褐色。頭部から背面、肩羽、腰、上尾筒は金属光沢のある藍黒色。翼は緑をおびた藍黒色。尾は金属光沢のある藍黒色で、燕尾型、先端には小斑点がある。下面は、喉が赤褐色、胸から腹は汚れた淡褐色。翼の裏は淡黒色。下尾筒には黒色のうろこ状の斑がある。飛翔型はツバメに似るが、腹や翼の裏面が黒っぽいため、著しく黒く見える点、尾が短い点などで異なる。嘴は黒色。脚は黒褐色。♂♀同色、同大。全長130mm。鳴き声は、囀り、地鳴きともツバメに似て、ジュイッジュイッ、ジュリリジュリリビリリリーという複雑な声で鳴く。一般に夏鳥として、奄美大島以南の南西諸島に渡来し、村落や市街地など、人家近くに多く生息するが、崖地などにも生息する。飛翔はツバメ同様巧みで、飛行中の昆虫類(アブ、カ、ハエ、ユスリカ、ゴミムシ、ウンカ、トビケラ、アリ、トンボなど)を空中で捕食する。特に、川の上や海岸などを飛びまわって採餌することが多い。巣材の土や草などを採集する以外は地上に降りることはなく、電線などで休止する。人家、神社、仏閣などの建築物、崖などに造巣し、ときには洞穴の奥、橋梁下などにも造ることがある。巣材は、枯れ草と土を主材として椀形に造り、産座には細根、枯れ草、羽毛などを敷く。産卵期は、4〜5月ごろで、灰白色の地に、褐色および灰鼠色の微細な小斑点のある卵を2〜3個産む。

 本種の繁殖分布は、南西諸島の奄美大島以南で、本土には生息していない。今回の調査での繁殖確認は、奄美大島、徳之島、沖縄本島に限られた。南部琉球の石垣島、与那国島でも繁殖が知られているが、生息が局地的で、個体数もあまり多くない(環境庁 1974)。

 

Aランク

Bランク

Cランク

合 計

サブメッシュ数

7

2

30

39

構 成 比(%)

17.9

5.1

76.9

100.0

 

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